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1988 Fiscal Year Annual Research Report

ルネサンス文学にあらわれた「市民生活」

Research Project

Project/Area Number 62450062
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

岩倉 具忠  京都大学, 文学部, 教授 (50093191)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊藤 久美子  京都大学, 文学部, 助手 (90203132)
吉田 城  京都大学, 文学部, 助教授 (80127315)
広田 昌義  京都大学, 文学部, 教授 (40012421)
中川 久定  京都大学, 文学部, 教授 (20023559)
清水 純一  山陽学園短期大学, 国際教養学科, 教授 (30025027)
Keywordsルネサンス / トスカーナ / フィレンツェ文学 / 市民生活 / ボッカッチョ
Research Abstract

昨年度に続き、十四世紀から十六世紀にかけてのトスカーナ地方を中心としたルネサンス期イタリア文学、およびパリを中心とする市民社会形成期のフランス文学に光をあて、その分析を通じてルネサンス期における「市民生活」についての研究を行なった。
特に本年度は、十六世紀以降のフランス、ルネサンス文学に大きな影響力を発揮したと思われるボッカッチョをはじめとする十四世紀フィレンツェ文学にあらわれた「市民生活」の分析に力を注ぎ、十六世紀以降のフランス文学研究の成果と対照しつつ討論を深め、共同研究の深化をはかることを目指した。
なかでも岩倉は十四世紀フィレンツェ文学を全般的に分析し、本年度より参加した伊藤は、とくにボッカッチョの『デカメロン』の分析のなかから民間信仰の問題やこの時期における女性の位置を考察し、この時期におけるトスカーナ文学の特殊性を明らかにすることができた。
両者を中心とする十四世紀から十六世紀にかけてのトスカーナ文学の分析、とくに私的・日常的側面からの「市民生活」研究は、この時期のトスカーナ人の生活や信仰・信条なでが十六世紀以降のフランス・ルネサンス文学にあらわれた市民意識にとって、先駆的な内容を含んでいることを明らかにしている。しかし同時に中世からの生活態度の継承という点で、後のフランス・ルネサンス期の文学・思想との不連続性もまた多く存在していることも明らかである。今後の共同研究の深化が要請されるところであろう。
また残念ながら今回の共同研究は時間の面でも予算の面でも十分とはいえない状況の中で、結果としてトスカーナ文学の研究に焦点を当てることとなり、フランス・ルネサンス期文学研究との接合という当初の課題が不十分なままに終えることとなった。次回を期したい。

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Published: 1990-03-19   Modified: 2016-04-21  

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