1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62450074
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石田 英夫 慶應義塾大学, 大学院・経営管理研究科, 教授 (00051300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重里 俊行 慶應義塾大学, 商学部, 助教授 (30122055)
奥村 昭博 慶應義塾大学, 大学院・経営管理研究科, 助教授 (00101890)
佐野 陽子 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (10051210)
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Keywords | 企業内労働市場 / 金融業の人材戦略 / 職務満足 / 賃金満足 / 会社満足 / 移動性向 / 転職 / 企業特殊性 |
Research Abstract |
金融関係の従業員意識調査は、予想以上に企業側の協力を得るのが困難であった。これは、都市銀行に限らず、保険会社も証券会社も同様である。紆余曲折の経過を経て、つぎの4つのグル-プのサンプルを得るに至った。 1.A証券会社社員 284名 2.B外資系銀行社員 45名 3.慶大商学部卒業生の金融関係入職者 60名 4.慶大大学院経営管理研究科修了者の金融関係入職者 117名 主要なファインデイングはつぎのとおりである。 1.会社を選択する理由は、「金融」であることのほか、「社風」と「安定性」が重要で、給与や休日は二の次である。 2.給与や職務についての満足度は高いが、労働時間や職務負担については不満度が高い。 3.給与やボ-ナスを評価するのに、社内の人より社外の人と比較する方が圧倒的に多い。 4.製造業などに比べると、定年まで働こうとする者は少い。しかし、転職しようと考える者も少い。 5.職務の企業特殊性は1割くらいと考える者が多く、企業間の共通性は高いと思われる。 6.勤続年数が長くなるほど、労働生活の満足度は高く、移動性向は低まる。 7.会社への帰属意識は一般に高いが、それは会社から得るものがあるからであり、運命共同体的指向ではない。 以上、一般に、製造業などに比べると、労働生活の満足度は高いようだが、能力発揮など、従業員の要求水準はかなり高いと思われる。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 石田英夫: "「海外直接投資とマネジメントの現地化問題」" 『統計研究会』新しい国際行動原理を考える. 127-135 (1987)
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[Publications] 石田英夫: "「金融機関の海外拠点における人材の現地化」" 『慶應経営論集』. 第8巻1号. 62-86 (1988)
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[Publications] 佐野陽子: "「内部労働市場論再考」" 『日本労務学会年報』. 51-60 (1986)
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[Publications] 佐野陽子: "「化学・エネルギ-産業にみる労働者意識」" 『(1987年実施)化学エネルギ-労協報告書』. 115-131 (1988)
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[Publications] 佐野陽子: "「男女雇用均等下の女子労務管理」" 『現代労務管理の課題と展望』. 229-245 (1988)
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[Publications] 重里俊行: "「大学生の就職と情報」" 『ESP』. No.168. 30-34 (1986)
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[Publications] 石田英夫: "『企業と人材』" 日本放送出版協会, 241 (1989)
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[Publications] 石田英夫(編著): "『企業グロ-バル化の人材戦略』" 日刊工業新聞社, 300 (1990)
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[Publications] 佐野陽子(共編著): "『「働き蜂」社会はこう変わる』" 東洋経済新報社, 230 (1987)
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[Publications] 佐野陽子: "『企業内労働市場』" 有斐閣, 274 (1989)