1988 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータリテラシの構造の分析とカリキュラム開発
Project/Area Number |
62450087
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
今栄 国晴 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60023967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中津 楢男 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90133131)
多鹿 秀継 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (30109368)
清水 秀美 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (60025111)
北岡 武 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60024022)
平田 賢一 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20024060)
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Keywords | コンピュータリテラシ / 研修カリキュラム / 小学生 / 中学生 / 教員(義務教育) |
Research Abstract |
昭和62年度において、小中学ならびに教員のコンピュータリテラシの実態について多くの調査をおこなった。その結果、次のようなことが明らかになった。(1)コンピュータに対して拒否的回避的な児童生徒は、小・中・高・大学生について、30%から50%あり、時代差や発達差はなかった。(2)女子及び理科・数学嫌いの中にコンピュータ回避型が多い。(3)教員については、教育工学関係者のコンピュータリテラシ水準は高いが、管理職ならびに一般教員には、コンピュータ回避型が三分の一程度存在している。本年は、以上の事実ならびに文献研究から、小中学生対象のコンピュータリテラシ教育には次の点を配慮することが必要なことを明らかにした。(1)コンピュータリテラシ教育は情報処理教育の予備ではない。コンピュータ回避型の児童生徒も興味をもつような授業が必要である。(2)そのためには、コンピュータリテラシ教育から理数科的雰囲気をできるだけ排除する。(3)体験学習的な方法、たとえば、絵やグラフを書く、データベースを使う、ワープロとして使う、通信を経験するなどにより、親しみを増すことが重要である。(4)評価は、知識や技能を試験するのではなく、授業への参加の熱心さや友人との協力などを中心に評価する。一方、教員の研修カリキュラムには、教育工学関係教員と一般教員を区別した体制が必要である。前者はコンピュータに十分な関心をもっており、高度な専門教育が可能である。かれらは校内研修で一般教員を指導する役割をもつから、初心者教員指導法の教育も必要である。一般教員は、コンピュータに対する態度が極めて否定的である。コンピュータは非人間的であり、生活を不幸にし、コンピュータが得意な教員に尊敬できる人は少ないと感じている。このような態度を変容することが研修の第一の課題であるが、それは学校運営の中でのコンピュータの有用性を実感させる以外に方法はない。
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Research Products
(2 results)