Research Abstract |
2つの小学校(明徳,牛牧)の第6学年児童を対象に野外観察調査をした. 1標識地点における自由観察(観察1)と課題別観察(観察2) 両校とも標識地2,4,7.9で多くのことを観察しており,観察1では明徳小が植物を,牛牧小が地質的なものを多く指摘している. 観察2では,明徳小が地質と植物(9番),牛牧小が地質と植物(7番),及び地質と谷川(9番),両校とも地質(10番)のことを多く指摘している. 観察1と2を通して,標識地点2,4,7,10で多くのことを指摘する傾向は,前年度の調査結果と同じである. 2観察1と2の記録を基に,児童の観察の深まり方(見た→採った→試した→スケッチした→考察した)を調べた. 観察1で明徳小は植物について見た,スケッチしたというものが多く,ついで谷川,動物,地質の順になっている. 試す行動は谷川に多い. 牛牧小は地質について見た,スケッチしたというものが多く,ついで動物,植物,谷川の順である. 両校とも,試す,考えるという行動は大変少ない. 観察2では両校とも地質について見る,スケッチするが圧到的に多い. 多少異なることは,明徳小に地質について試す,牛牧小で植物を見て,採ったというのが幾分多く見られたことである. 3観察1,2の記録を基に,児童の観察の広がり(観察対象の移り変わり)を調べた. 観察1の明徳小では,谷川→動物→植物→地質のように進むものと,植物の収集のみと谷川→動物→植物のように移行するものが多くみられる. 牛牧小では,崖の様子→地質→植物のように移行するものが多い. この調査から,明徳小(商店街)と牛牧小(田園地帯)でその観察の仕方に多少差のあることがわかった.
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