1988 Fiscal Year Annual Research Report
中間エネルギー領域における標識光子および連続電子線を用いた2核子放出機構の研究
Project/Area Number |
62460011
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菅原 真澄 東北大学, 理学部, 教授 (30004287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 和茂 東北大学, 教養部, 助教授 (20125652)
寺沢 辰生 東北大学, 理学部, 助手 (40004436)
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Keywords | 標識付光子 / 2核子 / 陽子検出器 / 連続電子線 |
Research Abstract |
本年度における研究は、昨年度中に整備、性能試験を終えた大立体角陽子検出器を東北大学理学部付属原子核理学研究施設にある、標識付き光子実験装置に組み込んでの試験および実験を行った。陽子検出器としての性能は、立体角=1.025〓、エネルギー分解能は陽子エネルギーの5〜10%であり、陽子をほとんどバックグラード無しに識別出来ることがわかった。実験は^<67>Li(γ、p)、(γ、pp)反応及び^4He(γ、p)、(γ、PH)反応について行った。一部のデータは現在解析中であるが^<67>Li(γ、p)反応実験については結果がまとまっている。この実験は、光子エネルギーE_γ=40〜100MeV、陽子散乱角θ_pは30〜150°の範囲で行い、放出陽子の微分断面積を測定した。得られたエネルギー損失スペクトルから、P殻、S殻からの陽子放出に対応する領域及び、エネルギー損失の高い領域において次の様な結果が得られた。P殻領域においてσ(^7Li)/σ(^6Li)=2であり、反跳核の効果を取り入れたPWBA計算と一致する。このことから直接過程を仮定する事により^<67>Li内陽子運動量分布が求った。同様にしてS殻領域の核内陽子運動量分布も求める事が出来た。これらの量は通常(e、e'p)実験では測定出来ない高運動量に対応しており、この方法の有用性を示すことが出来た。高いエネルギー損失領域では光子のエネルギー依存性、角度分布はP、S殻領域に比較するとゆるやかであり、準重陽子過程による説明と一致している。この領域の主な反応機構は、明らかに低いエネルギー損失領域と異なっており、現在解析を進めている。^<67>Li(γ、pp)や^4He(γ、pn)反応の様な放出される2核子のふるまいの解析が重要であり、核内における2核子の相関に関する情報を得る有力な手段であることが示されている。
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[Publications] T.Suda: Journal of the physical Society of Japan. 57. 5-8 (1988)
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[Publications] J.Yokokawa: Journal of the Physical Society of Japan. 57. 695-699 (1988)
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[Publications] T.Suda: 核理研研究報告. 21. 319-324 (1988)
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[Publications] I.Nomura: Proceedings of the Workshop on Photonuslear Reactions Using Continuous Electron Beam. 68-79 (1989)
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[Publications] A.Bates: Proceeding of the Workshop on Photonuclear Reactions Using Continuous Electron Beam. 63-67 (1989)
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[Publications] K.Maeda: Proceeding of the Workshop on Photonuclear Reactions Using Continuous Electron Beam. 18-29 (1989)
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[Publications] 松山日出人: 核理研研究報告. 21. 319-325 (1988)