1988 Fiscal Year Annual Research Report
三次元自己重力系における密度ゆらぎの非線型成長の研究
Project/Area Number |
62460039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 文隆 京都大学, 理学部, 教授 (90025370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 秀樹 京都大学, 理学部, 助手 (80183739)
中野 武宣 京都大学, 理学部, 助教授 (30027346)
観山 正見 国立天文台, 理論天文学研究系, 助教授 (00166191)
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Keywords | 密度ゆらぎ / インフレーション宇宙 / 銀河形成 / 重力不安定 / 非線型過程 |
Research Abstract |
現在の宇宙に見られる諸階層をなす構造は、微小な初期ゆらぎが重力によって線型段階から非線型段階を経て成長することによって形成されたと考えられる。そこで、いかなる初期ゆらぎが発生し、それがいかなる成長過程を経て最終状態に至るかという問題が、以下の3つの対象について研究された。 1.宇宙の大局的構造の形成 宇宙の大域的一様性を説明するインフレーションは、その実現が確率的にしか予言できないことが解明された。また、一次元自己重力系での非線型ゆらぎの終状態のスペクトルが、初期条件に依存しないことが示された。さらに、フリードマン宇宙に局所構造をはり合わせた非一様宇宙モデルについての研究がなされた。 2.恒星系、星間雲の構造の形成 差動回転しているディスクの非軸対称モードに対する安定性が、線型および弱非線型の範囲で研究された。また、磁場が貫くガスディスクの安定性と、これに対するダストの寄与が研究された。 大質量および小質量恒星周辺での惑星の形成について研究された。 3.超新星爆発と中性子星の形成 超新星爆発の際に発生するショック面のゆらぎの成長過程を3次元シミュレーションと線型解析の両面から研究し、外層部が分烈構造を持つことを得た。この分烈型構造と、SN1987Aにおけるγ線、χ線の観測可能性が研究された。また、中心部の崩壊によって形成される中性子星に対して、角運動量がなす役割について研究された。 これらの研究は現在進行中の観測、および近い将来なされるであろう観測と結びついて重要な意味を持つ。
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Research Products
(12 results)
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[Publications] H.Sato: Prog.Theor.Phys.80. 96-107 (1988)
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[Publications] T.Nakano: Mon.Not.Rastr.Soc.235. 193-201 (1988)
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[Publications] T.Nakano: Publ.Astron Soc.Japan. 40. 593-604 (1988)
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[Publications] T.Nakano: Astroophys.J.
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[Publications] M.Sekiya: Mon.Not.R.astr.Soc.234. 107-114 (1988)
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[Publications] M.Nagasawa: Publ.Astron.Soc.Japan. 40. 691-708 (1988)
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[Publications] S.M.Miyama: Astrophys.J.
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[Publications] Y.Kojima: Mon.Not.R.astr.Soc.
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[Publications] V.Belinsky: Prog.Theor.Phys.79. 676-684 (1988)
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[Publications] H.Ishihara: Phys.Lett.
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[Publications] T.Yamada: Prog.Theor.Phys.79. 416-428 (1988)
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[Publications] Y.Yamada: Prog.Theor.Phys.81. 93-103 (1988)