1988 Fiscal Year Annual Research Report
階層的制御機能を有する機能的電気刺激システムの開発とその麻痺上肢制御への応用
Project/Area Number |
62460130
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星宮 望 東北大学, 工学部, 教授 (50005394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 隆 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (80193374)
二見 亮弘 東北大学, 工学部, 助手 (20156938)
半田 康延 東北大学, 医学部, 教授 (00111790)
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Keywords | 機能的電気刺激 / FES / 麻痺手 / 機能再建 / 階層性 / 感覚フィードバック |
Research Abstract |
頸髄損傷による重度の四肢麻痺や脊髄損傷による対麻痺などの患者の麻痺した上肢や下肢を機能的電気刺激(FES)によって制御し、運動機能を補助・再建するため、高機能のFESシステムを開発することが最終目的である。本年度は、下記のような研究成果を得た。 (1)昨年度、主要部分の開発を終了した「マスタースレーブ」方式の48チャンネルFESシステムに学習機能を付与した。これはハードウェア的に階層的構造を有するもので、多チャンネルの神経・筋系を刺激すると同時に、患者が対話的に把持動作の修正を行いうる。そのため、患者の自助努力が装置の機能向上に反映できる。 (2)昨年度までに基礎的性質について調べた「皮膚電気刺激を介した移動感覚の呈示方法」の設計論を確立した。これは、感覚も麻酔している四肢麻痺患者にFESで運動機能再建する場合の感覚フィードバックとして有用である。 (3)健常人の筋運動中の筋活動電位を同時記録し、これをもとに多チャンネル刺激パターンを作成する方式が有効であることを、四肢麻痺患者の手の握りと肘の同時制御、および対麻痺患者を立たせる(64チャンネル刺激)ことに成功し、確認した。 (4)上記(3)の機能を有する16チャンネルのポータブルシステムを量産化する設計と試作に成功した(メーカと共同)。 (5)上記(4)を4台同時に用いて階層的制御を試みた。 (6)その他 研究代表者の星宮と強力者の二見が北海道大学応用電気研究所から東北大学工学部へ、協力者の半田が信州大学医学部から東北大学医学部へそれぞれ転任したので、階層的制御システムのシミュレータの開発研究は中断し、やや遅れている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 星宮望、八十島美由紀、二見亮弘、半田康延: 電気学会論文誌 C. 108. 447-452 (1988)
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[Publications] 半田康延、星宮望: バイオメカニズム. 9. 75-82 (1988)
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[Publications] 星宮望、半田康延: 月刊BME. 2. 705-714 (1988)
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[Publications] A.Naito;Y.Handa;N.Hoshimiya;et.al: IEEE/Eng.Med.& Biol.Soc.10th Am.Conf(New Orleans). 1669-1670 (1988)
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[Publications] N.Hoshimiya;A.Naito;M.Yajima;Y.Handa: IEEE Trans.biomed Eng.36. (1989)
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[Publications] 星宮望、半田康延、ほか3人: BME(第28回 日本ME学会大会特集号). 27. (1989)
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[Publications] 星宮望: 生体工学-神経・筋系を中心として-. 1989.