Research Abstract |
62年度は研究計画に基ずき実驗装置の強化改良,新規設計,製作,システムの整備強化を行い,多波長発生実驗を予定より早く開始し得た. 多波長発生のための色素励起用紫外域レーザ光源として,高効率,高エネルギー窒素レーザを開発製作した. これは従来殆んど考慮されなかったスパーク間隙内の抵抗値の出力光への影響など,シミュレーションによる設計,実驗により繰り返し0.4pps,電圧15KV,窒素ガス流量10l/min,で4.6mJ,全効率0.18%,10ppsでも3mJ,0.12%で,LC返転型窒素レーザでは世界的にもトップクラスの値を得た. 成果は米国Rev.Sci.Instrum.誌(1987年9月)に掲載された. また気体の流れが光路に並行および直交する場合の比較檢討の実驗を行ったが,直交の場合2倍以上の出力光が得られることを実証し,成果を米国J.AppL.Physics誌(1988年4月)に発表した. 高エネルギーエキシマレーザの整備に関しては,励起回路のシミュレーションに基ずき試作を行い,308nmで1pps,230mJ,効率1.2%の値を得た. これは10pps程度で長時間安定維持,耐腐食性の改良,エキシマガス再生装置の付加整備を継続して行う. 現在迄の成果は夫々,学会(応物,電通)で報告してある. 色素レーザの同時多波長発生に関する基礎研究では,エネルギー移動の可能性につき理論的予測を行い,色素は青色領域のC460,緑領域ではDisodium Fluoprescein,赤色領域ではNile Blueにつき基礎実驗を開始したが,これは今後も継続して行う. 関連報告は既に,応用物理学会,電子情報通信学会信越支部大会で行ったが,これらの成果は米国Appl.Phys.Lett.および分光研究に発表予定である. また本研究に用いる檢出装置として,イメージセンサを用いた瞬時多波長分光計測システムを開発,製作したが,成果は電子情報通信学会論文誌(1988年1月)に発表した. 今後とも研究計画に基ずき上記研究課題を檢討し,さらに進展させる.
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