1988 Fiscal Year Annual Research Report
季間蒸暑地域における伝統的民家と現代量産住宅の室内熱環境比較に関する実測調査研究
Project/Area Number |
62460172
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浦野 良美 九州大学, 工学部, 教授 (90037698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
龍 有二 九州大学, 工学部, 助手 (20191695)
渡辺 俊行 九州大学, 工学部, 助教授 (60038106)
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Keywords | 季間蒸暑地域 / 伝統的民家 / 現代住宅 / 室内熱環境 / 実測調査 / 付設地下室 / クールチューブ / 在室スケジュール |
Research Abstract |
本研究は、季間蒸暑地域における伝統的民家と現代住宅の熱環境調査結果を基に、構法、材料、平面、断面、詳細などの違いが、両者の室内熱環境に及ぼす影響を比較し、伝統的なパッシブクーリング手法を現代住宅に適用する場合の問題点を明らかにすることを目的としている。本年度に得られた成果は以下の通りである。 1.我が国における伝統的民家の特徴を農家、町家、蔵に分けて述べ、そのぞれの熱環境的な特性について考察した。 2.民家語彙に着目して、我が国の伝統的パッシブクーリング手法を手法別あるいは建築部位別に分類整理した。また、手法の部位別分類を行い、建築部位とクーリング手法の組合せについて考察した。 3.部分地下室およびクールチューブを付設した木造断熱気密住宅の室内熱環境を実測調査し、断熱気密住宅の夏季熱環境の改善には昼間の日射遮蔽と夜間の換気が有効であること、地下室およびクールチューブによる冷却熱量はそれぞれ最大値で約190kcal/hおよび650kcal/hであり夏季の貴重な自然冷熱源となり得ること、クールチューブの使用は昼間だけに限定し、できるだけ大きな流量を確保すること、同じ流量であれば管径よりも流速を大きくすること、熱拡散率の小さな土壌では管の理設深さが重要なこと、埋設深さが浅い場合は地表面の日射遮蔽と断熱が必要なこと、などを明らかにした。 4.「NHK国民生活時間調査ー昭和60年度」を基に、主人、主婦、小学生、中学生などの居住者別在室スケジュールを作成した。これを既存の在室スケジュールと比較検討するとともに、基準住宅モデルにおけるテストシミュレーションを行い、居住者の行動や室使用条件の違いが住宅の室温変動や空調負荷変動におよぼす影響を明らかにした。
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[Publications] 小川順一 他: 日本太陽エネルギー学会 日本風力エネルギー協会 合同研究発表会講演論文集. 65-66 (1988)
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[Publications] 財津秀隆 他: 日本建築学会九州支部研究報告. 31・2. 141-144 (1989)
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[Publications] 的野孝一 他: 日本建築学会九州支部研究報告. 31・2. 145-148 (1989)
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[Publications] 小川順一 他: 日本建築学会九州支部研究報告. 31・2. 149-152 (1989)
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[Publications] 堀口かおり 他: 日本建築学会九州支部研究報告. 31・2. 157-164 (1989)
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[Publications] 佐々木寛 他: 日本建築学会九州支部研究報告. 31・2. 197-200 (1989)