1989 Fiscal Year Annual Research Report
渓流取水工群と貯水池とからなる利水システムに関する研究
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62460209
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
山本 光男 明治大学, 農学部, 教授 (70015618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 文彦 明治大学, 農学部, 教授 (20007652)
久保 成隆 東京大学, 農学部, 助手 (40134506)
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Keywords | 渓流取水工 / 利水システム / 揚水発電 / 河川環保全 / 有効貯水量 |
Research Abstract |
渓流取水工群と貯水池とからなる利水システムは取水目的によって 1.渓流取水工群と全取水量貯留型貯水池とからなる利水システム 2.渓流取水工群と補給水貯留型貯水池とからなる利水システム 3.渓流取水工群と取水分離貯留型貯水池とからなる利水システム の3つのタイプに分類することができる。 1.の利水システムは、河川本流に貯水池を建設する取水方式、あるいはこれに自己流域外の渓流から流域変更によって導水し、貯水量の増大を図る場合には期待できない有利な特長を有し、渓流河川本流外に建設した貯水池に、貯水流域外の渓流河川に設置した渓流取水工群による取水を全て導水・貯留して利水するものである。2.の利水システムは、各渓流取水工からの取水は直接バイプラインで受益地に送水し、余剰水を貯水池に貯留して、補給水として利用するものである。 前年度に継続して、本年度究明した3.は、純揚水発電水力を開発する場合の利水システムである。所要の落差が得られる2つの渓流河川源流部の適地に上下2個の貯水池を建設し、平水時には、両貯水池を往復する発電水力用水として、一度貯留した有効貯水量を反復利用するシステムになっているので、蒸発、浸透による損失水量の補給以外には余分の貯水は必要としない。 しかし、ピ-ク発電時には上貯水池から下貯水池に、揚水時には下貯水池から上貯水池に、大流量が流動するので、貯水池は常に混濁状態になっている。したがって、貯水池地点からの責任放流量は、貯水池に流入する渓流河川に設置した。渓流取水工群によって分離取水された清水が導水路によって、貯水池下流外に放流される。この利水システムは、過疎化が進む、渓流河川方流の源流部に適地が得られるところでは、有効な発電水力の開発を可能にするものであり、下流側渓流河川の環境び流況が保全効果が高い。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 山本光男,赤羽昭彦,望月弘宣: "バ-スクリ-ン後方取水型渓流取水工の汎用性について" 農士学会関東支部年講集. NO.39. 51-53 (1988)
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[Publications] 山本光男,望月弘宣: "汎用制バ-スクリ-ン後方取水型渓流取水工の清理特性" 農士学会年講集. 平1. 38-39 (1989)
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[Publications] 山本光男,小島信彦: "複合式バ-スクリ-ンタイプ渓流取水工の水理特性" 農士学会関東支部年講集. NO.40. 57-59 (1989)
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[Publications] 山本光男: "河川地形興取水方式の研究" 台湾省農委水利特刊新. NO.1. 1-61 (1989)
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[Publications] 山本光男,小島信彦: "バ-スクリ-ン複合型渓流取水工の水理特性" 農士学会年講集. 平2. (1990)
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[Publications] 秋吉康弘,山本光男: "渓流取水の流入浮遊物の除去について" 農士学会年講集. 平2. (1990)
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[Publications] 志村,丸山,長,山本,他: "新農業水利学(3版)" 朝倉書店, 222 (1989)