1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460224
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高間 俊彦 北海道大学, 工学部, 助手 (40001309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸川 健三郎 北海道大学, 工学部, 教授 (20001191)
佐藤 進一 北海道大学, 工学部, 教授 (80001121)
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Keywords | 白色X線 / 固体半導体検出器 / ペンデルビート / 動力学的回折現象 / 曲げ変形 / シリコン / ラウエケース |
Research Abstract |
研究代表者らは, 白色X線を平板完全結晶に入射させ, 反射X線の積分強度を波長変化に対して計測して, ペンデルビートを測定する方法を開発した. 測定されたビートの位置から, 構造因子の値を精度良く求めることができるが, 研究担当者らは既に多くの物質についてその値を求めている. この測定法は平板結晶と細く絞った白色X線を用いるので, 楔型結晶と特性X線を用いる従来法にはない多くの優れた特徴がある. 本研究では, ペンデルビートに及ぼす曲げ変形の影響を上述の手法で調べ, その結果を歪を含む動力学回折理論を比較して検討した. 試料には一定の厚さを持つSiの無転位結晶を用い, これを二等辺三角形状の試料片に切り出し, その底辺を固定しながら三角形の頂点を表面に垂直に微小変位を加える方法で一様な曲げ変形を導入した. この試料についてペンデルビートを測定したところ, 1, ビートの位置, 振幅及び反射積分強度の変化が試料の曲率の関数として求められた. 2, これらの測定結果は, Katoの歪を含む動力学回折理論(アイコナール理論)で説明された. 3, 対称ラウエケースの場合に, 試料の方位によって全く歪の影響を受けない反射面と強く受ける反射面があることが測定されたが, 試料の弾性異方性を考慮することで説明された. 4, 曲率が増加するにつれて, 実験値はアイコナール理論と一致しなくなり, 理論の適用限度を研究する必要があることが判った. 今後は, 更に多くの試料で測定を行なうと共に, 転位の歪場についても同様の研究を行なう予定である.
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[Publications] 高間俊彦: 北海道大学高エネルギー超強力X線回折室年報. 4. 1-4 (1987)
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[Publications] 高間俊彦: 理学電機ジャーナル. 18. 2-6 (1987)
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[Publications] 高間俊彦: 日本結晶学会誌. 29. 398-405 (1987)