Research Abstract |
1.資料収集と研究調査 (1)イギリスにおける教材開発を調べるために, 5月に笠耐がイギリスに出張して, 大学, 高校を訪問し, また, 膨大な資料を収集した. 2カ月間上智大学にCambridge Univ.のMs.B.Jennisonを招き, 日英の比較研究を行い, 8月には2週間London King's CollegeのProf.P.BlacksとAirborough High SchoolのMr.P.Scottを招いて, 高校物理教師のための日英セミナーを開催した. 物理概念を理解させ, 科学的方法を体得させるには, 生徒が興味をもつテーマを選び, 生徒自身の考えを引き出し, 実験や作業, 議論や意見の交換等の活動を通じて, 科学的な概念に生徒自身で変革させる必要があることが明確になった. 生徒の興味や考えは, 日本とイギリスで共通していること, 日本でも入試の影響がなければ, 生徒を主体とした教育が実践可能なことが明らかになった. 物質の粒子論とエネルギーの教材開発について, Children Learning Science Projectが参考になった. (2)エネルギーに関して, 太陽エネルギー研究所長押田勇雄氏の協力を得, また, 新エネルギー財団等から資料を集めた. 放射線に関しては国立高エネルギー研究所, 国立放射線医学研究所を訪問して専門的な資料を得て, テキスト作成に使用した. 2.テキスト作成 (1)エネルギープロジェクト(50ページ)イギリスの教材と日本の具体的資料を参考にして, 5種類の代替エネルギーを検討し, 計画する生徒用作業教材である. (2)放射線と私たち(50ページ)高校, 大学一般教養, 市民大学で利用できる放射線と原子核とを解説した読み物で, 奇数ページは絵か図か写真で, 偶数ページは文章にした. 独創的なものである. 両方共63年度に生徒に配布使用して, 改定し, コロナ社より出版する予定. 3.実験教材製作 (1)冷却機製作:銅線をつめた26cm^3の蓄熱器使用. モーターの回転数を80〜500cpmの範囲で切り代えることができて, 運転中の温度, 圧力, 体積を測定できる. XYレコーダーでPV曲線を描かせた. (2)ホットエンジン製作:入力450Wニクロム線ヒーター, 回転数130cpm改良の予定.
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