1988 Fiscal Year Annual Research Report
活性メチルサイクルの酵素系を用いる新しい生理活性ヌクレオシド類の探索と生産
Project/Area Number |
62470123
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 秀明 京都大学, 農学部, 教授 (30027180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沢 透 京都大学, 農学部, 助手 (60115904)
清水 昌 京都大学, 農学部, 助手 (70093250)
和泉 好計 京都大学, 農学部, 助教授 (40026555)
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Keywords | Sーアデノシルホモシスティン / Sーアデノシルメチオニン / メチルサイクル / アデノシルホモシスティンヒドロラーゼ / アデノシルメチオニン合成酵素 / ホモシスティンラセマーゼ / Pseudomonas putida |
Research Abstract |
1.Sーアデノシルホモシスティン関連ヌクレオシド類の生産:ホモシスティンラセマーゼとアデノシンホモシスティンヒドロラーゼを併産する菌株としてPseudomonas putidaを新たに見い出した。本菌を単独でまたはアデノシルホモシスティンヒドロラーゼ高生産菌としてすでに見いだしていたAlcaligenes faecalisと併用することにより、安価なラセミ型ホモシスティンを出発基質とする合成法が可能なことを見い出した。すなわち、ラセミ体基質中のL体はアデノシルホモシスティンヒドロラーゼによりアデノシント縮合してSーアデノシルホモシスティンが合成される。一方、末反応のD体は、ラセマーゼによりラセミ体となる。このようにした生じたラセミ体中のL体は遂次アデノシルホモシスティンヒドロラーゼの作用によりSーアデノシルホモシスティンへと導かれる。従って最終的にはラセミ体基質のすべてがSーアデノシルホモシスティンへと変換されることになる。この方法について反応条件等の検等を行い、約80g/eのSーアデノシルホモシスティンをモル収率100%で得ることが出来た。 2.ヌクレオシド化ホモシスティン類の合成:Afaecalisのアデノシルホモシスティンヒドロラーゼのヌクレオシド類に対する幅広い基質特異性を利用して、従来合成法の確立がなされていなかったネブラリン、ホルマィシンA、などのホモシスティン誘導体の固定化菌体を用いる効率的な合成法を確立した。 3.Sーアデノシルメチオニンの生産:清酒酵母(Saccharomyces sake)を用いるSーアデノシルメチオニンの生産方式を確立した。本菌を用いてべンチスケールファーメンターによる最適化を行い、約11gleの生産が可能なことを認めた。また、本菌の高生産能はアデノシルメチオニン合成酵素活性が他の菌に比して有意に高いことが要因の一つであることを認めた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sakayu,Shimizu: FEMS Microbiology Letters. 51. 177-180 (1988)
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[Publications] Sakayu,Shimizu: Ann.N.Y.Acad.Sci.
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[Publications] Sakayu,Shimizu: Elsevier Applied Sciences.
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[Publications] Hideaki Yamada: Angewandte Chemie. 27. 622-642 (1988)