1987 Fiscal Year Annual Research Report
ダイストリプシンインヒビターのアミノ酸残基の化学的変換による阻害機作の研究
Project/Area Number |
62470149
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池中 徳治 大阪大学, 理学部, 教授 (20028088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 三郎 大阪大学, 理学部, 助教授 (00028193)
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Keywords | トリプシンインヒビター / 阻害機構 / アミノ酸残基の化学的変換 |
Research Abstract |
1.ダイズトリプシンインヒビターTiaのTle^<64>〜Met^<84>ペプチドのSer^<74>をArgに置換したペプチド(a′)を固相ペプチド合成法により合成し, 逆相HPLCにより精製したところ, カルボキシル末端Met^<84>が一部メチオニンスルフォキシドになったペプチド(a′(0))が(a′)と同時に得ることができた. これら両ペプチド(a′)と(a′(0))とTiaのタンパク部分(A)およびTibのタンパク部分(B)とをそれぞれ混合することにより, 置換インヒビター, Ti(Aa′),Ti(Ba′),Ti(Aa′(0))ならびにTi(Ba′(0))を作り, これらをイオン交換カラムを用いたFPLCにより精製することにより純品を得, トリプシンとの複合体の解離常数Kiを測定したところ, Ti(Aa′)は6.2×10^<-10>M,Ti(Ba′)は2.9×10^<-9>M,Ti(Aa′(0))は4.2×10^<-10>M,Ti(Ba′(0))は6.4×10^<-9>Mであり, 未置換修飾インヒビターTi(Aa),Ti(Ba)と同程度のトリプシンインヒビター活性を有することが明らかになった. このことはSer^<74>のArgへの変換, およびMet^<84>のMetOへの酸化は阻害活性には殆んど影響を及ぼさないことが明らかになった. 2.現在TiaのIle^<64>〜Met^<84>ペプチドのHis^<71>をAsnに置換したペプチド,Ile^<64>をSerに,Arg^<65>をAlaに,Phe^<66>をGlyに置換したそれぞれのペプチドを合成中であり, これらを精製してインヒビターのタンパク部分(A)および(B)と混合してインヒビターを得る予定である.
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