1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480007
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
谷藤 茂行 北海道大学, 理学部, 教授 (50000774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 敦之 北海道大学, 理学部, 助手 (89077428)
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Keywords | ソラマメγRNA遺伝子 / エンドウマメγRNA遺伝子 / γRNA転写開始点 / 植物γDNAスペーサーの変異性 / シロイヌナズナアラニンtRNA遺伝子 / シロイヌナズナメチオニンtRNA遺伝子 / フェニールアラニンtRNA遺伝子 |
Research Abstract |
植物の核ゲノムにおけるDNAの構造的多様化機構を探る目的で、ソラマメ、エンドウマメのγRNA遺伝子(γDNA)と、シロイヌナズナのtRNA遺伝子をクローン化して一次構造を調査し、比較をおこなった。 1.ソラマメの18SγDNAの全一次構造を決定し、既に報告されているイネ、ダイズ、トウモロコシと比較した。 2.ソラマメと、エンドウマメのγDNAの大スペーサー領域の全配列を決定した。 3.エンドウマメの大スペーサー領域内には、約175bpの配列のtandem重複がみられ、それ以外の反復配列は無かった。他方、ソラマメでは、長さと反復度の相互に異なる5種類の反復配列が発見された。エンドウマメの175bp反復配列単位は、ソラマメの2種類の反復配列の3'下流部分と5'上流部分から構成されていた。それら以外の流域についても50〜80%の相同性が認められ、両植物間での近い系統関係が示された。 4.エンドウマメ、ソラマメのγRNAの転写開始点が決められた。その近辺の配列は相同性が高く、特に20bp領域は全く同一であった。転写開始点の近傍配列の重複は両植物ではみられず、既に報告したニンジンの場合とは相違していた。 5.γRNA遺伝子とはゲノム内所在の異なるtRNA遺伝子について、その核ゲノム内での存在様式を知る目的で、シロイヌナズナからtRNA遺伝子を含む核DNA断片のクローンを集めた。 6.3個のフェノールアラニンτRNA遺伝子と、メチオニンとアラニンのtRNAの遺伝子夫々1個を同定し、その上流、下流域の情報を集めた。 7.それらの遺伝子はAT含量の高いDNA領域に分布しているが、動物でみられているようなクラスター的遺伝子分布はみられなかった。 8.アラニンtRNA遺伝子は、植物での最初の報告である。
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[Publications] Kimitake,YAKURA: Jpn.J.Genet.62. 325-332 (1987)
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[Publications] Takahiro,TAIRA: Mol.gene.Genet.213. 170-174 (1988)
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[Publications] Yukihiko,YOKOTA: J.Mol.Evol.in press. (1989)
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[Publications] Takahiro,TAIRA: Jpn.J.Genet.in press. (1989)
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[Publications] 谷藤茂行: "赤沢・杉浦・西村編「植物の細胞生物学的研究法」(植物の重複性遺伝子)" 共立出版, 277-287 (1987)