1987 Fiscal Year Annual Research Report
プロトプラストを用いたシダ殖器官の分化に関する研究
Project/Area Number |
62480013
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
菅井 道三 富山大学, 理学部, 教授 (60109098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 桝夫 福井大学, 教育学部, 助教授 (10020140)
増田 恭次郎 富山大学, 理学部, 助手 (90018987)
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Keywords | アンセリジオーゲン / 細胞分化 / 細胞融合 / シダ / 造精器 / 配偶体 / 胞子体 |
Research Abstract |
主としてカニクサ配偶体,胞子体をもちいて以下の実験を行った. 1.配偶体からのプロトプラストの単離及び培養条件の検討 Murashige & Skoogの培地(M.S.培地)に2%しょ糖を加えた寒天培地上にカニクサ胞子をまき,約4週間育てた成熟配偶体からプロトプラストを単離した. 単離条件としては,セルラーゼRー10 2.8%,マセロチームRー10 0.5%,PH5.0,25℃,100RPMの旋回振とうで最高の収率を得た. 培養には,M.S.無機培地にNAA,BA,0.5%しょ糖,マニトールを加えた培地をちもちい,培養開始後7日目に最初の細胞分裂が,1ヶ月直径約0.5mmのコロニーを,2ヶ月で1.0mmのコロニーが形成された. 2.胞子体からのプロトプラストの単離及び培養条件の検討 寒天培地上に育てた配偶体上に生じた,若い胞子体からプロチプラストを単離した. 単離条件は,セルラーゼRS1%,マセロチームRー10 1%,PH5.2,25℃,60RPMの旋回振とうが最適であった. 培養には,配偶体の培養とほぼ同一の培地を用い,暗所25℃においたところ培養開始後,約2週間目にプロトプラストの分離が認められた. しかし,それ以上の細胞の増殖は認められなかった. 3.プツトプラストの融合条件の検討 上述の方法で単離した配偶体由来プロトプラスト(単相n)と胞子体由来プロトプラスト(複相2n)を融合させ3n体の形成と,その分裂・分化を追求することを目的として,プロトプラストの電気的融合を試みた. 3,000KHz,20V(pーp)の電気パルスを与えることにより高頻度の融合に成功した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 菅井道三: Plant & Cell Physiology. 28. 199-202 (1987)
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[Publications] 中村三千代: 福井大学教育学部紀要第II部(自然科学). 37. 57-62 (1987)
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[Publications] 中村三千代: 福井大学教育学部紀要第II部(自然科学). 37. 63-69 (1987)
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[Publications] 菅井道三: 化学と生物. 26. (1988)