1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480033
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩田 伸夫 九州大学, 農学部, 助教授 (50038204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 淳 九州大学, 農学部, 助手 (00182816)
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Keywords | イネ / Oryza sativa L. / 染色体地図 / 核型分析 / 染色体欠失 / モノテロトリソミックス / トリソミックス / 相互転座 |
Research Abstract |
本研究は、イネの染色体地図の作成をめざして、分染法により動原体、分染バンド、染色粒を明確に区別する方法を確立すると共に、染色体欠失や相互転座などを用いて、各染色体について連鎖地図上の主要標識遺伝子と動原体、長短各腕部位との関係を明らかにせんとするものである。 分染法については、クロモマイシンによる蛍光染色を用いて、染色体構造変異個体のK10染色体の特定領域(仁に付随する領域)の同定を試みた。また、花粉母細胞では、酵素解離法を適用することによって、生の材料でなく固定貯蔵材料でも、よく拡がったパキテン期染色体を標本化することが可能となった。染色体欠失については、標識遺伝子部位が介在する染色体欠失個体を作出するため、標識遺伝子系統を種子親として、それに授粉前日にγ線(5RK)を照射した正常個体の花粉を授粉し、約4000粒の交配種子を得た。一方、前年度までに行った同様な交配によるF_1から、これまでに23本の染色体と1断片染色体をもつ8個体、モノソミックス約20個体、および標識遺伝子について偽優性を示す31個体を含む167個体の異常個体を選抜し、一部はPMCの観察を行った。また、モノソミックスを正常花粉で交配したF_1は、すべて2n=24の正常個体であり、モノソミックスの伝達はみられなかった。腕単位で遺伝子の座乗染色体部位を識別できるモノテロトリソミックスの作出については、標識遺伝子をホモにもつトリソミックスに開後前日にγ線照射(5KR)した花粉を授粉し、28組合せ、約1300粒の交配種子を得た。また、前年度までに行った同様な交配によるF_1から、異型や不稔を示すトリソミックスを多数得ている。相互転座については、既存の相互転座の転座点同定のために、相互転座系統と標識遺伝子系統間、あるいは相互転座系統間の組合せによるF_1約500組合せを育成し、一部はPMCの観察を行った。一方、新しい相互転座系統の作出も試みた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshimura,A.: Rice Genetics Newsletter. 5. (1988)
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[Publications] Wang,Z.X.: Rice Genetics Newsletter. 5. (1988)