1988 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷気候下における古土壌の分類、堆積年代および生成環境に関する研究
Project/Area Number |
62480049
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
近堂 祐弘 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30003081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小崎 隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (00144345)
土屋 富士夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (30003130)
近藤 錬三 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (30003106)
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Keywords | 寒冷気候地域 / 化石周氷河土 / 永久凍土 / テフロクロノジー / 古土壌 |
Research Abstract |
寒冷気候下の北海道および東北地方北部には、第四紀後半に生成した埋没火山灰土、化石周氷河土、芝塚(アースハンモック),埋設泥炭土など種々の古土壌が存在する。北海道の東大雪山麓では、点在的永久凍土の残存も確認されている。本研究では、現世の土壌型の生成環境との比較において、更新世中期以降の古土壌を対象に、分布、分類、形成年代、土壌物理的性質および生成時の植生環境を追及しようとした。昭和63年度の研究実績は、つぎのように要約することができる。 1.前年度につづいて、東北地方北上川上流域の標高500m以下の地域において、北海道と類似のインボリューションをもつ化石周氷河土の分布と編年調査をおこなった。当地域では、西岩手火山および秋田駒ヶ岳火山由来の更新世後期テフラ中に化石周氷河土の残存を認めた。とくに、岩手山由来の一本木スコリア(約3万3千年前)の上、下位の埋没火山灰上のインボリューションによる変形が著しい。 2.北海道東大雪山麓、標高850m地点に埋設した電子式記録計による永久凍土の土壌温度と気温の計測をおこなった。その結果、年平均気温1.0℃、50cm深度の平均土壌温度-4.3℃の数値をえた。この点在的永久凍土の活動層の深度は、40〜70cmの深いものであることを認めた。 3.東北日本に残存する化石周氷河土には、最終氷期(約6万〜1万年前)に生成、発達した古土壌と、完新世の寒冷期(約5千〜2千年前)に生成した、点在的永久凍土や芝塚(アースハンモック)などに区別できることを明らかにした。 4.昭和62、63年度の研究成果のまとめとして,「東北日本における寒冷気候下の古土壌分布図」を作成し、研究成果報告書を作成、提出した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] KONDO,Y.,AMANO,Y: Proceedings of the 9th International Soil Classification Workshop(Japan). (1988)
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[Publications] KONDO,R.,SASE,T.,KATO,T.: Proceedings of the 9th International Soil Classification Workshop(Japan). (1988)
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[Publications] 近堂祐弘,土肥誠: ペトロジスト. 31巻. 104-115 (1987)
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[Publications] 近堂祐弘,加藤誠,小崎隆: 日本土壌肥料科学会講演要旨集. 35集. (1989)
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[Publications] 日本第四紀学会編貝塚爽平他編集,分担執筆: "日本第四紀地図 I地形・地質・活構造図" 東京大学出版会, ,1-119 (1987)
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[Publications] 日本土壌肥料科学会北海道支部編飯村康二他編集,分担執筆: "北海道農業と土壌肥料1987" 北農会, 1-475 (1987)