1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480096
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山元 寅男 九州大学, 医学部, 教授 (80037324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 桂一郎 九州大学, 医学部, 講師 (20172398)
和佐野 公二郎 九州大学, 医学部, 助教授 (90117292)
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Keywords | 凍結割断レプリカ / 内皮細胞 / 蛍光顕微鏡 / 膜内粒子 / デスミン / ビメンチン / アクチン |
Research Abstract |
大動脈及び心環状動脈の内皮細胞の内腔側細胞膜を凍結割断レプリカ像で観察すると、直径9〜12nmの膜内粒子をD面に観察できる。しかし、その分布に均一性及び規則性は認められなかった。また、膜の陥入に一致して、直径約70nmの有郭降起を見るが、この構造と膜内粒子の分布との間に関連性は認められない。このことは、膜内粒子が膜の陥凹に際し、ほとんど役割を演じていないことを示唆するものである。 内皮細胞に局在すると考えられているプラスミノーゲン・アクチベーターの膜局在を検索するために、これに対する抗体を作製したが、抗体の精製が成功しなかった。今後は精製を継続し、蛍光顕微鏡法、および、免疫電顕法にて、内皮細胞内局在部位を、細胞膜上に同定したい。 次に、内皮細胞内の細胞骨格であるデスミン、ビメンチン、アクチンの分布を蛍光顕微鏡法を応用して検索した。特に、動脈硬化発生とこれら細胞骨格との関係を知るために、ビタミンDを大量投与したラットの大動脈、環状動脈の内皮細胞を実験に用いた。デスミンは血管平滑筋に弱いながら陽性であったが、ビメンチンはヒトモノクロナル抗体を用いたため存在を証明できなかった。また、内皮細胞のアクチンは、血管平滑筋のアクチンとは異ることが蛍光抗体法で明らかとなった。超薄切片法で、内皮細胞内に多数の中間径細系を認めるが、これはビメンチンと考えられる。しかし、上述のように、細胞内の分布様式は明らかにできなかった。また、膜タンパク質と細胞骨格とがエンドサイトーシスに際し、どのようなかかわりをもつのかも本研究では不明で、方法論的に再検討を要すると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Izumi,T.;Shibata,Y.;Yamamoto,T.: Anatomical Record. 220. 225-232 (1988)
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[Publications] Matsuura,T.;Yamamoto,T.: Virchows Archiv A.Pathological Anatomy. 413. 123-131 (1988)
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[Publications] Tahara,T.;Yamamoto,T.: Virchows Archiv A.Pathological Anatomy. 413. 151-158 (1988)
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[Publications] 中村桂一郎,張学單,馬渡正明,泉敏弘,山元寅男: 福岡医学雑誌. 79. 341-346 (1988)