1988 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロン連絡の多重性の形態学的解析.とくに神経活物質の分布との関連において
Project/Area Number |
62480098
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水野 昇 京都大学, 医学部, 教授 (10025596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 昭 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00025660)
野村 嶬 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (60034188)
金子 武嗣 京都大学, 医学部, 取手 (90177519)
伊藤 和夫 京都大学, 医学部, 助教授 (60093184)
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Keywords | 免疫組織化学 / 神経ペプチド / アセチルコリンエステラーゼ / チロシン水酸化酵素 / 下立 / 体性感覚系 / 聴覚系 / 自律神経系 |
Research Abstract |
1、前年度、心臓血管系の中枢の一つとされる延髄吻側原外側部(RVLM)のなかに聴覚系と一般体性感覚系の中継核として機能するニューロン群をネコで同定したが、今年度はこれらのニューロン群と胸髄上部の交感神経節前ニューロンに軸索を送るRVLMニューロン群との関係について検当した。自律神経中枢としてのRVLMを形成するニョーロンはカテコールアミン作動性であることが知られているので、これらのニユーロンはチロシン水酸化酵素を指標として同定した。一方、一般体性感覚系のニューロン群は丘間の領域ないし視床後核群へ軸索を送ることが知られているので、標識物質(HRP)をこれらの領域に注入して、逆行性標識法によって一般体感覚系のニューロン群を同定した。同一のネコにおいて、連続切片を一枚おきに2群に分類し、隣り合う鈴片の一方をネロシン水酸化酵素の免疫組織化学で染色し、もう一方の切片ではHRPで標識されたニユーロンを検出した。以上の結果、RVLMのなかの体性感覚中枢ニユーロンはチロシン水酸化酵素の免疫活性を示さず、胸髄の交感神経節前ニユーロンに軸索を送るニユーロン群とは別のニユーロン群であることが証明された。 2、免疫組織化学的に下丘の神経活性物質の分布を調べると、P物質、ニユーロキニンA、エンケファリン、コレチトスキニン、ニューロペプチドYなどの神経ペプチドがそれぞれ特徴的なコンパートメント様分布を示す。この神経ペプチドの分布様式を下丘への入力線維系との関連において解析し、下丘のコンパートメンタリゼーションとの関連を検当しつつある。これまでに以下のことがわかった。(1)後索核からか上行性線維の終止域と神経ペプチドのコンパートメント様分布とは相補的である。(2)聴覚野皮質からの下行性線維の終止域は神経ペプチドの分布域と重なり合う傾向がみられた。(3)後索核からの上行性線維の終止域はアセチルコリンエステラーゼ陽性。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 金子武嗣: The Journal of Compartive Neurology. 267. 590-602 (1988)
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[Publications] 杉本哲夫: Brain Research. 439. 147-154 (1988)
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[Publications] 水野昇: Neurscience Letters. 89. 13-18 (1988)
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[Publications] 神谷博人: The Journal of Comparative Neurology. 273. 421-435 (1988)
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[Publications] 安井幸彦: The Journal of Compartive Neurology. 274. 91-100 (1988)
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[Publications] 猪野正志: Neuroscience Letters. 90. 259-264 (1988)