1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480101
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
星 猛 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (60004537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 暉通 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (20013302)
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Keywords | カチオン駆動担体 / 共輸送機構 / Na^+ / H^+逆輸送 / 細胞内調節因子 / βアミノ酸輸送系 / (nNa^++Cl^-) / β-アラニン共輸送 / 小腸刷子縁膜小胞 / phorbol ester |
Research Abstract |
本年度はH^+/ペプチド共輸送に対する駆動力形成の調節因子の解明と、β-アミノ酸輸送系の駆動力の特殊性と輸送特性の関係の2つの問題について研究を行った。前者についてはラット小腸表面のミクロ環境pHの酸性度をNa^+/H^+逆輸送体活性の示標に用い、それをpH感受性微小電極で測定しつつcyclic nucleotides,phorbol esterの作用を観察した。その結果dibutyryl c-AMPはNa^+の存在する正常メジウム条件下でのみそのpHをアルカリ化し、またlmM amiloride存在下では全く作用がないとの結果を得た。phorbol 12-mystate acetateも同様にNa^+存在下でのみpHの上昇をおこした。一方phorbol,phorbol 13-acetateの如く、protein kinaseCを活性化しないものはNa^+存在下でも作用はなかった。これらのことはミクロ環境の酸性pHを維持するのに重要な役割を演じているNa^+/H^+逆輸送体の活性は、少くとも2つの因子、すなわち細胞内c-MAPレベル並びにprotein kinaseCによって調節されていることが明らかとなった。 小腸刷子縁膜のβ-アミノ酸担体の駆動特性についてはウサギ空腸刷子縁膜小胞でそのとり込み特性を観察した結果、同輸送はNa^+のみならずCl^-勾配にも依存し、しかも小胞内負電位で加速される起電性を示すことが確認された。とり込み速度のNa^+、Cl^-濃度依存性のHillプロット解析から複数のNa^+、1ケのCl^-と1基質との共輸送であることが示唆された。速度論的にはL-α-アラニン輸送系とは独立であり、タウリン、β-アラニンは共通担体で輸送されること、その系はL-α-アラニン系に比して著しく高親和性(K_t=46μM)、低容量系(V_<max>=30pmal/mg protein/15s)であることが明らかになった。更にovershoot uptakeの時間経過が著しく長く、小胞内からの漏出がおこりにくいことが判明したが、この膜輸送のベクトル性(整流性)及び高親和性は共に複数Na^+並びにCl^-が共役する複雑な駆動機構によっているものであることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Shimada,T.;Hoshi,T.: Biochimica Biophysica Acta. 937. 328-334 (1988)
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[Publications] Hoshi,T.;Abe,M.;Nunokawa,T.: Bifidobacteria Microflora. 7. 29-34 (1988)
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[Publications] Nunokawa,T.;Hoshi,T.: J.Physiol.Soc.Japan. 50. 393 (1988)
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[Publications] Miyamoto,Y.;Nakamura,H.;Hoshi,T.: American Journal of Physiology. (1989)
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[Publications] Miyamoto,Y.;Fuzisawa,Y.;Hoshi,T.: Biochimica Biophysica Acta. (1989)
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[Publications] Miyamoto,Y.;Fuzisawa,Y.;Hoshi,T.: Biochimica Biophysica Acta. (1989)
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[Publications] 星猛、藤田道也: "新生理科学大系第18巻消化と吸収の生理学" 医学書院, 1-418 (1988)