1987 Fiscal Year Annual Research Report
メタンフェタミンとモルヒネの併用による毒性の増加に関する研究
Project/Area Number |
62480183
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
四方 一郎 大阪大学, 医学部, 教授 (10035371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舩橋 ますみ 大阪大学, 医学部, 助手 (20135718)
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Keywords | メタンフェタミン / モルヒネ / 体温 / ドーパミンレセプター / オピエートレセプター / マウス |
Research Abstract |
我々は, マウスにメタンフェタミンとモルヒネを同時投与すると著しく死亡率が上がること, そしてその際に体温の著明な上昇が起こることを発見している. そこで, この体温上昇がどのような機構により起こるのかを調べるために, モルヒネのアンタゴニストであるナロキソンあるいはドーパミンアンタゴニストであるハロペリドールを前処置したマウスを用いて実験した. ナロキソン(10mg/kg)の前投与はメタンフェタミン(5mg/kg)・モルヒネ(100mg/kg)同時投与による体温上昇を抑えるのみならず, 90分後には著明な体温下降を示した. 一方, メタンフェタミン(5mg/kg)単独投与による体温上昇に対して, ナロキソンは抑制せず, 逆に増強させた. このように, ナロキソンは体温上昇に関してモルヒネ存在下ではアンタゴニストとしての効果をモルヒネが存在しなし場合にはアゴニストとしての効果を示した. ハロペリドール(2.5mg/kg)を投与すると, 体温は著明に下降する. しかし, ハロペリドール投与後メタンフェタミン・モルヒネを同時投与すると約1時間遅延するけれども, 体温は著明な上昇を示した. 一方, メタンフェタミン単独投与による体温上昇に関しては, ハロペリドールは完全に抑制した. メタンフェタミンによって起る高体温はドーパミンレセプターが重要であることが確認された. 一方, メタンフェタミンによる高体温をモルヒネは増強するけれども, この増強効果にドーパミンレセプターは重要ではなく, オピエートレセプターが重要であることが示唆された. 現在, メタンフェタミン単独投与あるいはメタンフェタミン・モルヒネ同時投与した時の脳内カテコールアミン量(視床下部, 線条体, 大脳皮貭)を測定・検討中である.
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