1988 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患における補体レセプターを介した抗体産生のメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
62480187
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 昭正 東京大学, 医学部(病), 教授 (80010239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 尚之 東京大学, 医学部(病), 医員 (60231437)
當間 重人 東京大学, 医学部(病), 助手 (50207528)
広畑 俊成 東京大学, 医学部(病), 医員
木佐木 友成 東京大学, 医学部(病), 助手 (20169840)
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Keywords | 補体レセプター / 免疫複合体 / Bリンパ球 / リン酸イノシトール代謝回転 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
1.可溶化した液相CR_2分子を抗CR_2抗体をもちいた酵素抗体法で測定するアッセイを確立した。但し血清中あるいは培養上清中で検出するために改良を検討中である。 2.CR_2物質をRaji細胞膜よりアフィニティクロマトグラフィーで精製し、酵素抗体法でその存在を定量化した。 3.精製CR_2および抗CR_2抗体、抗IgG抗体などを用い、補体結合型免疫複合体の酵素抗体法による測定システムを検討した。血清中での測定では非末梢特異的反応も見られ、さらに改良を要する。 4.慢性関節リウマチ患者抹消血のCR_2および表面IgG陽性細胞数と血中CRP値、血沈値、IgG値との相関を調べ、表面IgG陽性細胞数と疾患活動性データの間に正の相関を認めた。 5.in vitroで形成させた免疫複合体によるRaji細胞CR_2発現の抑制は見られなかった。 6.CR_2陽性B細胞に対する直接のCR_2の刺激は膜のフォスファチジルイノシトールの分解を引き起こさず、単独ではDNA合成能の増加、増殖の過程に至らしめず、抗体産生には影響を与えないと考えられた。 7.T細胞からの因子あるいはプロテインカイネースCを活性化させるTPAの刺激に対して抗CR_2抗体が促進的に働くことがあり、CR_2の機能に関してはさらに検討を要すると思われた。 8.自己免疫疾患患者の末梢血リンパ球はTPAや抗CR_2抗体に対する反応が様々で、抗CR_2抗体がTPA刺激に対し促進的に働く症例が見られたが、疾患活動性・病態・治療の違いなどによる影響も考えられ、さらに詳しく検討する必要がある。
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