1988 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞における運動負荷時のST上昇の機序に関する基礎的、臨床的研究
Project/Area Number |
62480212
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
安井 昭二 山形大学, 医学部, 教授 (20023781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 こずえ 山形大学, 医学部, 助手 (30184419)
太田 郁郎 山形大学, 医学部, 助手 (70143097)
久保田 功 山形大学, 医学部, 助手 (30161673)
殿岡 一郎 山形大学, 医学部, 助手 (70164001)
立木 楷 山形大学, 医学部, 助教授 (30004683)
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Keywords | 慢性期心筋梗塞 / 右房ペーシング / ST上昇 / 心表面心電図マッピング |
Research Abstract |
陳旧性心筋梗塞患者の運動負荷後のST上昇の成因については、運動負荷により誘発された心筋虚血、あるいは局所壁運動の増悪などの説があるが、未だ結論は得られていない。この問題につき昭和62年度より一般研究Bで研究を行っている。昭和63年度は、犬を用いた実験的慢性心筋梗塞モデルを作成し、右房ペーシング負荷時の心表面心電図の変化について検討を加えた。 雑種成犬7頭を用い、無菌操作にて開胸後、左冠動脈前下行枝を、第一対角枝の直下で結紮して心筋梗塞を作成したのち閉胸した。一ケ月後に再開胸し、60個の銀製単極電極を左室および右室の表面に装着した。洞結節を挫滅し、右房に双極刺激電極を装着し、刺激頻度を120/分から280/分まで、3分毎に20/分ずつ増加してゆき、それぞれの刺激頻度につき、心表面87点の心電図を、心表面電位記録装置に記録した。このデータはAID変換後、パーソナルコンピュータに転送し、各誘導点毎にQの開始からSの終点まで、Sの終点からTの終点まで、Qの開始からTの終点までの時間積分値(それぞれA^^ーQRS,A^^ーST-T、A^^ーQRSTとする)を計算し、心拍数の増加による変化を検討した。最後に、心臓を摘出しnitroblue tetrazolium染色を行い、梗塞部位の同定を行い、心表面電極の位置との関係を調べた。 梗塞領域のSTはペーシング頻度増加とともに上昇し、A^^-ST-Tは有意に増加した。(p<0.001、120/分 vs 240/分)。またA^^-QRSTは有意に低下し(p<0.001)、A^^-QRSTは有意な変化を示さなかった。一方、非梗塞部領域(左回旋枝領域)ではA^^-ST-T、A^^-QRS、A^^-QRSTとも、ペーシング頻度の増加による有意な変化は認められなかった。心房ペーシング時の梗塞部A^^-ST-Tの増加には、A^^-QRSの変化、すなわち興奮伝播過程の変化の影響も関与していることが示唆された。
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