1987 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息増悪因子としてのインターフェロンの生化学的意義
Project/Area Number |
62480228
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三河 春樹 京都大学, 医学部, 教授 (00026866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平家 俊夫 京都大学, 医学部, 助手 (90190173)
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Keywords | 気管支喘息 / インターフェロン / 2′,5′オリゴアデニレート / ヒスタミン遊離 |
Research Abstract |
気管支喘息などのアレルギー症状が, ウイルス性上気道感染を契機に増悪したり, 再燃したりすることは日常良く経験することである. 我々はウイルス感染症が, 気管支喘息の増悪をきたす機序のひとつとしてウイルス感染に伴って産生されるインターフェロンを介する機序について検討した. 即ち, ラットの好塩基球性白血病細胞株2H3およびアレルギー患者末梢血白血球を用いて以下の結果を得た. 1.2H3を種々の濃度のインターフェロンと48時間培養後, (1)CaイオノフォアーA23187を用いてヒスタミン遊離をさせると遊離ヒスタミン量, 細胞内含有ヒスタミン量ともインターフェロン濃度の増加に伴って増加し結果として遊離ヒスタミン量/細胞内含有ヒスタミン比は一定であった. (2)DNP特異的IgFをあらかじめ吸着させた後, DNPーBSAによるヒスタミン遊離をみた場合にもCaイオノフォアーによると同様に細胞内含有ヒスタミンおよび遊離ヒスタミンの増加がみられた. 2.2H3をインターフェロンによる細胞内作用を仲介するとされる2′,5′ー01,goadenylate(2′,5′ーA)を直接加えて48時間培養し, その後(1)Caイオノフォアーで刺激するとインターフェロンによる場合と同様に細胞内および遊離ヒスタミン濃度の増加が2′,5′ーAの増加に伴って観察された. (2)DNP特異的IgEを用いた場合にも同様の結果が得られた. 3.アレルギー患者由来の末梢血白血球をインターフェロンとともに培養後(1)A23187で刺激したときも2H3の場合と同様の結果を得た. (2)抗IgE抗体によるヒスタミン遊離にも同様の結果を得た. さらに4.アレルギー患者末梢血白血球を2′,5′ーAを加えて培養後(1)A23187で刺激した場合(2)抗IgE抗体で筋激した場合のいずれにもインターフェロンによる場合と同様の結果を得た.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Heike,T;Mikawa,H.: Acta PAEDIATRICA Japonica. 29. 658-662 (1987)
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[Publications] Kim,k・M;Tanaka,M;Yoshimura,K;Katamura,K;Mayumi,M;Mikawa,H.: Clin.QExp.Immunol.68. 418-426 (1987)
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[Publications] Mayumi,M;Kawabe,T;Kim,k・M;Heike,T;Katamura,K;Yodo,J;Mikawa,H.: Clin,Exp.Immuncl. in press. (1987)
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[Publications] Mayumi,M;Kawabe,T;Nishioka,H;T;Kim,k・M;Yodo,J;Mikawa,H.: submitted for publication.