1987 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞動態にもとずく乳癌の複合療法の効果増強に関する研究
Project/Area Number |
62480273
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
阿部 力哉 福島医大, 第二外科, 教授 (70004629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
君島 伊造 福島医大, 第二外科, 助手 (00161547)
土屋 敦雄 福島医大, 第2外科, 講師 (10117674)
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Keywords | MCF7 / SC115 / 内分泌治療 / 細胞四粒 / フローサイトメトメトリー / TAM / 除睾術 |
Research Abstract |
基礎的実験としてホルモン依存性のある実験癌を用いて,内分泌治療による腫瘍細胞の動態をフローサイトメータによって検索した. 材料および方法:エストロゲン依存性のあるMCFー7はin vitroで,アンドロゲン依存性のSC115はin vivoで実験を行った. MCF7はファルコンシャーレにて継代培養し,SC115はDDSマウスに移植して実験した. 内分泌治療としてMCF7ではタモキシフェン(TAM)を用い,SC115では除睾術を行った. 制癌剤としては5FUを用いた. 実験開始後は経時的に,MCF7ではシャーレにトリプシンを加え,SC115では腫瘍摘出後に細切してトリプシンにて処理して,單離細胞浮遊液とした. 單離細胞浮遊液はエタノールで固定後にPropidium lodiceにてDNA染色をした. DNA染色液はフローサイトメータにてDNAヒストグラムを得,マイクロコンピューターを用いて,G_0G_1期,S期,G_2M期の割合を解析した. 結果:(1)MCF7に対するTAMの効果,TAM投与群は対照群に比して48時間後から増殖抑制がみられた. 各時期で2群の細胞月期の割合をみると,TAM群では対照群に比し,G_0G_1期の割合が増加し,S期の低下がみられ,これは時間の経過とともに大きくなり,TAMの効果〓特続性であった. TAMの増殖抑制の効果はG_1からS期への細胞の移行を押えるためであった. (2)SC115に対する除睾術の効果,SC115移植液,除睾術施行群は対照群に比して明かな増殖抑制がみられた. 2群の各時期での細胞周期の割合をみると,除睾群でG_0G_1期の増加とS期の割合の低下がみられた. 増殖抑制効果にTAMと同様にG_1期からS期への細胞の移行を抑制するためであった. (3)5FUの効果,MCF7もSC115もS期の著明な低下があったが,24時間後には回復していた. これら個々の結果を基にして次年度は組合せによる効果の増強について検索したい.
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Research Products
(1 results)