1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480289
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
安富 正幸 近畿大学, 医学部, 教授 (60028438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 栄司 近畿大学, 医学部, 助手 (30210149)
黒岡 一仁 近畿大学, 医学部, 助手 (40195574)
進藤 勝久 近畿大学, 医学部, 助教授 (80112043)
松田 泰次 近畿大学, 医学部, 講師 (10122110)
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Keywords | 大腸癌 / 悪性度 / 核DNA量histogram |
Research Abstract |
昭和62年度は、顕微蛍向測光法による大腸癌の悪性度を検討し、核DNA量histogram patternがIV型(peak値が2.5c以上、およびover 4cが20%以上)を示す症例ほど悪性度が高いという結果をえた。そこで、昭和63年度は臨床応用と客観性を持たせることを目的としてflow cytometryによる核DNA poidy patternの解析を行った。<方法>外科的に切除された大腸癌119例のホルマリン固定組織片(100um)より測定部位を採取し、Hedleyの方法に準じsingle cellを作製し、ploidium iodideで染色した後、FACS IV flowcytometerで核DNA量を測定した。<結果>大腸癌119例中DNA aneuploidyは68例(57%)に認められ、壁深達度別にみるとm,sm:2/14(14%)、pm:8/17(47%)、ss s(a_1・a_2):54/82(66%)、si(ai):4/6(67%)であり深達度が進むにつれてDNA aneuploidyが増加する傾向がみられた、また脈管侵襲、リンパ節転移陽性例にDNA aneuploidyが高頻度に認められた。大腸癌の予後を決定する重要な因子である肝転移とploidy pattenrnとの関係を肝転移が高頻度に認められるss s(a a)癌82例を対象に検討した。DNA ploidy patternからみた肝転移陽性率はDNA diploidy:0/28(0%)、DNA aneuploidy:16/54(29.6%)と有意に(p<0.01)。一方、静脈侵襲と肝転移率をみるとVo:7/50(14%)、V:4/17(23.5%)、V_2,_3:5/15(33.3%)とV_2,_3で肝転移が高率に認められた。そこで静脈侵襲別にみたDNA ploidyと肝転移率をみると、DNA diploidyでは肝転移率をみると、DNA aneuploidyではV:7/30(23.3%)、V:4/13(30.8%)、V_2,_3:5/11(45.5%)とV_2,_3で頻度が高くなるものの有意差は認められなかった。つまりVであってもDNA aneuploidyであれば肝転移の頻度が高く予後不良であった。今後の研究課題としては本年度の結果をもとに術前生検標本のDNA polidy patternから癌の悪性度を決定し、有効な治療法を選択できると考えられる。また、DNA-RNA多重染色により大腸癌の悪性度を詳細に検討したい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 進藤勝久: 日本外科学雑誌. 88. 1087-1092 (1987)
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[Publications] 黒岡一仁: 近畿大学医学雑誌. 13. 433-448 (1988)
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[Publications] 黒岡一仁: フローサイトメトリー. 7. 96-99 (1988)
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[Publications] 黒岡一仁: 日本外科学会雑誌.
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[Publications] 黒岡一仁: 日本消化器外科学会雑誌.