1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480294
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Research Institution | Gifu University, School of Medicine |
Principal Investigator |
広瀬 一 岐阜大学, 医学部, 教授 (20101272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久保 光治 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (00170225)
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Keywords | 冠動脈 / 冠動脈硬化病変 / 冠動脈造影 / 冠動脈狭窄度評価法 |
Research Abstract |
昭和63年度においては、昭和62年度に開発したCDAを用い、冠動脈を想定したファントームによるモデル実験を行った。本モデル実験により、冠動脈の極端な蛇行が無ければ、本測定法により真の内径狭窄度の評価が可能であると考えられた。しかしながら、精度を向上させるためにはX線を測定対象に直交させるべく入射させる必要があり、一方向からの内径狭窄の評価に限界のあることも示唆された。 このため、2方向同時撮影像からの冠動脈の3次元的再構築を行うべく、本CDA装置を用い、2方向各々の空間的濃度変化曲線の同時かつ空間上での解析を試みた。この空間的再構築においては2方向各々の冠動脈造影像が同一の座標系を有することが必須であるが、本検討においては、ラプラシアンフィルターを応用した辺縁検出による座標軸の決定がより正確であることが示唆された。しかしながら、本法においても特に狭窄部の辺縁検出には限界があり、更なる検討が必要と考えられた。散乱線、charge-coupled-device cameraの素子数等の影響に関しては未解決である。 最後に、本法の臨床応用を試みた。AHA分類の狭窄度と本評価法より算出した冠動脈狭窄の間には、順位相関関係は成立したが、数値そのものは必ずしも一致しなかった。さらに75%前後の狭窄病変についてはバラツキが大であり、従来の定性的、主観的は評価法の限界を疑わせるものと思われた。 以上より、未だ解決されるべく問題は多数存在するが、"冠動脈内容積が造影剤によるX線不透過度に関連することに基づいた冠動脈狭窄度評価法"は可能であると考えられた。さらに、本評価法は冠動脈硬化病変の程度を定量的にかつ客観的に評価する方法として有用であることが本研究により示唆された。
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