1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480300
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
白日 高歩 福岡大学, 医学部第二外科, 助教授 (20038863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元永 隆三 福岡大学, 医学部第二外科, 助手 (80166339)
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Keywords | 片側肺移植 / 同時両肺移植 / 異所性肺葉移植 / 気管移植 |
Research Abstract |
今年度は本研究課題の2年目にあたり、以下の成果を得た。すなわち当初の計画である雑種成犬対象の片側肺移植あるいはラット片肺移植実験は、初年度においてほぼその目標を達成し得た。従って、今年度は更にそれらと類似した実験を推進させた。内容は1.両肺移植実験 2.異所性肺葉移植実験 3.気管移植実験等である。両肺移植実験は人工心肺を利用した同時両肺移植であり、わが国では具体的な研究成果は未だ出されていない。10頭の雑種成犬を対象として実施したが、移植手技の確立、移植直後の循環動態変化のチェックを目的とした。雑種成犬を対象としたことより長期生存は困難であったが、有益な情報が得られ、その成果を昭和63年度の日本胸部外科学会総会において発表した。なお従来からのラット肺移植実験は手術手技の工夫、その成果を昭和63年度の日本呼吸器外科学会総会でビデオ供覧した。雑種成犬を対象とする肺葉移植実験はlimited lung transplantation、すなわちrecipientの両肺を既存の形のままとして新たに異所性にdonor肺葉を移植したものであり、移植肺の脱落によってもrecipient肺を救い得るmeritを狙ったものである。最長1ヶ月の生存犬しか得られなかったが、気管支移植部への血流を維持する事により生着の可能性が高くなる事実を知り得た。その成果については昭和63年度日本胸部外科学会総会および心肺移植研究会で発表した。気管移植実験は肺移植成功の鍵となる気管支吻合部の生着について、吻合部の拒絶反応、組織反応を観察するために雑種成犬を対象として実施したものである。12頭の成犬を対象として実施し、主に気管支鏡による観察を行ない、現在最長10ヵ月に達する生存犬を得ている。その成果については平成元年の日本呼吸器外科学会総会および日本気管支学会総会で発表する予定である。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] Kimura Michio;Kuroiwa Ataru,Shirakusa Takayuki;Ariyoshi Asami.: Medical Bulletin of Fukuoka University. 15. 167-170 (1988)
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[Publications] Shirakusa Takayuki;Motonaga Ryuzo;Takata Shin-ichi.: Jap.J.Surgery.
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[Publications] 白日高歩、荒木康雄、重松信昭、松葉健一: 気管支学.
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[Publications] 白日高歩、山崎世紀、木村道生: 日本呼吸器外科学会誌「呼吸器外科」.
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[Publications] 白日高歩、上田仁、斉藤猛彦、荒木康雄: 日本外科学会雑誌.
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[Publications] 白日高歩、森重徳継、平田亮: 日本胸部外科学会雑誌.
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[Publications] Shirakusa Takayuki.: Thoracic and Cardiovasc.Surgery. 136. 361-365 (1987)
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[Publications] Shirakusa Takayuki.: J.J.Surgery. 18. 291-299 (1987)
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[Publications] Motonaga Ryuzo,Shirakusa Takayuki.: J.Thoracic and Cardiovasc.Surgeon.
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[Publications] 白日高歩: "Bed-Side-Memo(改訂版)外科 肺心肺移植" 世界保健通信社, 3 (1988)