1989 Fiscal Year Annual Research Report
神経症状を示す家兎モデルを用いた脳血管攣縮の病態・治療法に関する実験的研究-特にエラスタ-ゼ投与効果について-
Project/Area Number |
62480306
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
遠藤 俊郎 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (70125269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑山 直也 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (30178157)
大辻 常男 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (60152188)
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Keywords | 脳血管攣縮 / 動物実験モデル / 神経症状 / 脳血流量 / エラスタ-ゼ製剤 |
Research Abstract |
1.くも膜下出血モデル家兎の病態に関する検討 (1)両側頚動脈結紮2週間後に大槽内自家血2回注入法によりくも膜下出血を作製した家兎の病態につき検討を継続した。 本モデルは出血作製後3-4日目に明らかな脳血管攣縮(脳血管写所見)および神経症状の出現を認める。これらの変化は脳血流量の変化とも一致し、虚血性の変化に起因することを既に明確にしてきた。今年度は特に病理組織学的検討を中心に行なった結果、攣縮のおこった脳底動脈を中心に血管壁自身には、中膜筋細胞の壊死・中膜の変性肥厚・種々の細胞浸潤などの変化が顕著であった。しかし脳実質の梗塞性病変の出現頻度は6%の例に認められたのみであった。GFAP免疫染色法などの検討も行なったが、くも膜下出血群と非出血群の間に有意の差を認める結果は得られなかった。 2.エラスタ-ゼ製剤投与効果に関する検討 くも膜下出血作製家兎において、エラスタ-ゼ製剤投与による血管攣縮はおよびそれに伴う神経症状抑制効果につき検討した。種々の投与法投与量により検討を行なった結果、症状出現はやや抑制される傾向を認めたものの、明らかな有用性は確認できなかった。 3.モデルの改良および薬剤投与効果の再検討 以上の不十分な結果は、作成したモデル病態が脳の器質的病変をひきおこすまでには到らぬ一過性の変化のみであることが主因である。このためより強い変化出現を目的に、自家血に加え、Oxy Hemoglobin,PAFなどより強い収縮物質の注入を行い、モデルの改良を行ない、興味ある結果を得ている。薬剤効果の再検討を含め研究を継続している。
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Research Products
(1 results)