1988 Fiscal Year Annual Research Report
腎同種移植における液性因子の検討-とくにMLC活性化因子について-
Project/Area Number |
62480341
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
畠 亮 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40051586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 博孝 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50175840)
中井 秀郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50167540)
馬場 志郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00051889)
出口 修宏 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90118977)
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Keywords | 腎移植 / MLC / 液性因子 / アラキドン酸代謝 / DST / 輸血ルート / 免疫ネットワーク / 自己回帰モデル |
Research Abstract |
1.MLC活性因子について:昨年の研究で術前患者血清中にMLC活性因子が存在する場合にはaccelerated rejectionを起こしやすいこと、そしてこれが術前のDSTによって抑制されることが判明した。本年はこのMLC活性因子の特異性を確かめるために、第3者とのMLC、あるいは第三者間でのMLCに同じ患者血清を加えて反応をみたところ、活性化は起こらず特異性が証明された。(雑誌移植、印刷中)。 2.Fine needle arpiration cytology(FNAC)の臨床応用に関して:針生検と違って腎移植術後も頻回に反復して施行できる利点をもつFNACによる拒否反応診断の有用性につき雑種成犬を用いて実験をおこなった。雑種成犬5組10匹を用いて、お互いの腎臓1つずつを交換して移植した。免疫抑制剤は用いずに急性拒否反応が一週間以内に起きる状況下において、術後1、3、5、7日目にFNACを施行した。同時に開腹して腎生検をおこない組織学的に比較検討した。その結果、病理組織学的に拒否反応と診断できる5日目に先行して、すなわち3日目のFNACで単核細胞の出現を認め、より安全により早期に診断できる可能性が示唆された(泌尿器科紀要に投稿予定)。 3.ラット同種間輸血と腹腔内マクロファージのPGE、TBX産生能に関して:Lewisラットに同種のACIラットの血液を輸血した。8日後に腹腔内マクロファージを採集して24時間培養したあと培養液中のPGEとTBXを測定した。輸血ルートは末消系門脈系の2ルートとした。その結果、同種血液を末梢系に輸血した場合はPGE、TBXともに産生抗進するが、門脈例の輸血では亢進しなかった。すなわち同種間輸血によって誘導される免疫抑制効果の発現き機序には輸血ルートによって差があることが示唆された(雑誌移植と投稿中)。 4.腎移植後リンパ球sub-populatinの連続測定による免疫ネットワーク解析に関して:その後の臨床を加えた結果を雑誌移植に投稿中
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Research Products
(4 results)