1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62480366
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡村 良一 熊本大学, 医学部, 教授 (00040551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 光希 熊本大学, 医学部, 助手 (70173896)
稲田 晃一郎 熊本大学, 医学部付属病院, 助手 (60184719)
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Keywords | 房水蛋白 / トランスフェリン |
Research Abstract |
白内障・網膜中心動脈閉塞症などの〓炎症性眼疾患の房水20検体およびぶどう膜炎などの炎症眼の房水10検体をマイクロ2次元電気泳動法で分離したあ各トランスフェリン(Tf)すなわち,房水特異Tf,血清Tf,脱シアル酸Tfの濃度をコンピューター画像解析装置で測定した. その結果,〓炎症眼において,3者の分画が一定の割合(60%,27%,13%)で,房水中に存在し,炎症眼では,房水症Tf濃度の上昇がおこり,3者の分画は同様な割合で上昇した. しかし,総Tf濃度がある程度以上に上昇すると,房水特異Tf・脱シアル酸Tfの濃度は上昇せず,血清Tfの濃みのが急上昇することがわかった. 以上のことから,3者のTfを相互に変換するシステムが眼内に存在している可能性が示唆された. すなわち,〓炎症眼の場合,3つのTfの分画の占める割合は,そのシステムの制御により,一定の割合を保つことができる. しかし,炎症眼で,血清Tfの漏出量がそのシステムの処理能力をこえると,房水特異Tf・脱シアル酸Tfの分画の濃度は増加せず,血清Tfの濃度のみが急上昇すると考えられる. 一方,房水特異Tfの由来・代謝については,ヒトの摘出眼からえた材料を用い,毛核体色素上皮・毛核体華色素上皮・虹彩色素上皮などを分離培養増殖させ,現在初代培養が進行中である.
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