放電加工によるセラミックス修復物の成形に関する基礎的研究

1987 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62480393
• Research Institution: Ohu University
• Principal Investigator: 野口 八九重 東北歯科大学, 歯学部, 教授 (80083434)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 越中 優 東北歯科大学, 歯学部, 助教授 (10094939) ; 増原 英一 東北歯科大学, 歯学部, 客員教授 (00013772)
• Keywords: 放電加工 / チタン / セラミックス / 歯科修復物 / グラファイト電極 / 銅電極 / 放電加工液 / 横放電加工 / 銅電鋳

Research Abstract

本研究は,放電加工によってチタンやセラミックスなどを歯科修復物に成形加工する技術を開発することを目的としたものである. 本年度はまず,小型の歯科用放電加工機を試作するとともに電鋳法による放電加工用電極作製の基礎的検討を行なった.
〔試作放電加工機〕 試作放電加工機(以下試作機と略称)は,最大加工電流41Aと,一般の加工機と同等の性能のものであるが,歯科用に適する機能を付与させた. すなわちその第一は,加工部と電源部に分離し卓上型とした. 第二に,横放電加工方式を採用することで,支台歯側と咬合面側の2方向からの加工が可能となる. 第三に,電流波形をスロープ昇圧形パルスに変えたことで未加工部がなくかつ電極消耗をより低くすることに成功した. さらに試作機には,放電加工の欠点である加工面の荒れを改善するために,電解加工も行なえるよう,その電源も備えた.
〔放電加工性能〕 本試作機を用いて,チタンおよびZrーB系のセラミックスの加工性能試験を行なったが,電極にグラファイト,加工液に水道水を用いた場合,いずれの材料でも約0.4mm/分の加工速度が得られ,電極消耗比は標準的なものよりも低い約30%であった. なお銅を電極に用いた場合,電極消耗比はかなり改善されるが,加工速度は約1/2に減少した. また極性はいすれも正極性が良いことがわかった.
〔電鋳による電極作製〕 電鋳により放電加工用電極を銅で作製するために,印象1.一次導電性を付与する方法,均一電着性を得るための液の撹拌方法など,技術的な検討を加え,複雑なクラウン形態の電極の作製も可能になった. この電極を用いて,チタンの加工を試みた結果,精度面の研究までには至っていないが,その加工が可能なことを確認した.