1989 Fiscal Year Annual Research Report
咬合圧と下顎位の情報受容機構に基づく義歯設計基準に関する研究
Project/Area Number |
62480395
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Research Institution | TOKYO DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
関根 弘 東京歯科大学, 教授 (10085714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 吉純 東京歯科大学, 助手 (50207370)
嶋村 一郎 東京歯科大学, 講師 (10170961)
安達 康 東京歯科大学, 助教授 (50085891)
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Keywords | Silent period / 食品破壊 / 咬合力の急激な変化 / 下顎運動の急激な停止 / 運動速度の急激な変化 |
Research Abstract |
円滑な咀嚼運動のためには、食品によって破壊所要力量が変化するので、食品の性状の識別とその食品の破壊に好ましい筋力発揮とが重要である。特に硬固食品の破壊時には、急激な咬合力の変化や急激な顎位の変化が生じるが、このような急激な変化に対応してどのような筋活動が生じているかを把握する必要がある。さらに、このような咬合面間における力の急激な変化に対して、歯周組織の圧受容機構がどのように関与しているかを把握することは、咀嚼機構の解明にとって重要な意義をもつと同時に局部義歯の設計基準に重要な資料を提供する。ここで、食品破壊時に生じる咬合力や顎位の急激な変化に対応して咀嚼筋筋活動が変化すると考えられるが、食品破壊時に生じる筋放電一時抑制相)を対象とした調査はほとんどみられない。他方、近年普及しつつあるインプラント義歯では、歯周組織の機能を全く欠如していると考えられるので、インプラント義歯装着者に対してこれらの調査を実施するならば、極めて興味深い結果が得られると同時に、歯周組織の機能の確認にも有益な結果が得られると思われる。ここで、咀嚼運動は、運動制御機構によって円滑な反復運動を行なっているので、不適切な下顎位を設定された場合においても、当該下顎位への順応が生じる可能性が高いと考えられるので、不適切下顎位を設定した義歯装着者がどのような順応過程をたどるかについての調査を実施するならば、極めて興味深い結果が得られると同時に、不適切下顎位の診断基準が得られると思われる。このような観点から、本研究においては、食品の硬さ識別能の検討、骨結合インプラント義歯装着者の圧感覚および硬さ識別能の検討、食品破壊時におけるSPの発現状態の検討および新規設定側方偏心咬頭嵌合位に対する下顎咀嚼運動の順応に関する検討の4項目について調査を行なった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 岸正孝: "食品の硬さ識別能に基づく圧・顎位の情報受容機構の意義について" 歯科学報. 89. 205-216 (1989)
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[Publications] 佐々木眞澄: "新規設定側方偏心咬頭嵌合位に対する下顎咀嚼運動の順応に関する実験的研究" 歯科学報. 89. 931-980 (1989)
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[Publications] 上竹成一,山倉大紀,岸正孝,関根弘: "軟らかい食品の硬さ識別能に対する歯根膜圧感覚情報の意義に関する実験的研究(第2報)" 日本補綴歯科学会雑誌. 33(特別号). 77 (1989)
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[Publications] 小汲逸郎,岸正孝,関根弘: "食品の硬さ識別機構に対する歯根膜圧感覚情報の意義に関する実験的研究(第2報)" 日本補綴歯科学会雑誌. 33(特別号). 78 (1989)
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[Publications] 高松透浩,吉田浩一,小宮山彌太郎,岸正孝,関根弘: "オッセオインテグレイテッド・インプラントにおける食品の硬さ識別機構に関する研究(第2報)" 日本口腔インプラント学会雑誌.
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[Publications] 佐々木慎一,辻吉純,岸正孝,関根弘: "食品破壊時における咀嚼力と下顎位の変化がSP発現様相に及ぼす影響に関する実験的研究(第1報)" 歯科学報. 89. 1157-1158 (1989)