Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 末廣 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (80105733)
岡本 佳三 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (50084249)
本川 渉 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (60084290)
宮崎 光治 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (40050041)
吉田 穰 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (10084287)
|
Research Abstract |
1.液体ガリウム合金の改良(堀部) 室温で液状を保つため, GaーSnーIn三元合金とし, 凝固開始温度が-8.5℃, 比重6.53(水銀の約1/2)の銀白色で歯牙および金属に付着性に富む液体を試作した. 2.ガリウム合金用合金粉末の研究(岡本) 1の液体Ga合金に機械的練和により速かに合金化して可塑性のペースト化し, 10数分後に硬化する合金粉末の組成を研究し, AgーCuーSnーPdーZn五元系合金をアトマイズ法により球状微粉末としたものが, それらの性質をほぼ満足するものと認められた. 3.ガリウム合金の理工学的研究(堀部・岡本) 1.2の研究により試作した合金粉末と液体Ga合金を機械練和し, 所定寸法の金型に充填作製した試料の理工学的性質を測定した. 硬化膨張は13〜25μ/cm,ビッカース硬さは2時間後100,3日後は148, 圧縮強さとDiametral引張強さはそれぞれ1時間後3300〜3470kg/cm^2,330〜390kg/cm^2,1日後3620〜3640kg/cm^2,380〜390kg/cm^2,7日後3670〜3790kg/cm^2,520〜540kg/cm^2と市販高銅アマルガムより硬化初期における機械的性質が優れていることが認められた. また腐食試験では, 市販アマルガムに比較し, 食塩液では同等であるが, 塩酸,乳酸溶液では2〜3倍と腐食減量が多い傾向を示したが, 硫化ナトリウムの変色試験では1/2以下で優れ, ヒト唾液での腐食, 変色は僅少である. 4.ガリウム合金の歯髄刺激試験(吉田, 本川) 3の研究で好成績を示したガリウム合金と, 比較対照として市販高銅アマルガムSphericalーDを用い生後2〜3ヶ月の幼犬11頭を用い, 132歯に窩洞形成充填し, 術後1,3,7,14,35日後〓殺し, 病理組織学的検索を行った. 両群を比較した処, 歯髄刺激反応に有為差は認められず, ガリウム合金は残存象牙質厚経が0.05〜0.07mm以上であれば, 殆んど為害作用をもたない材料であることが認められた.
|