1988 Fiscal Year Annual Research Report
生命倫理の基本的カテゴリーに関する哲学的分析と社会的文化的背景に関する総合的研究
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62510025
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
飯田 亘之 千葉大学, 教養部, 教授 (90009663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和夫 千葉大学, 教養部, 助教授 (90114496)
佐藤 三夫 千葉大学, 教養部, 教授 (30094973)
今井 知正 東京大学, 教養学部, 助教授 (50110284)
酒井 昭宏 千葉大学, 教養部, 教授 (20092059)
加藤 尚武 千葉大学, 文学部, 教授 (10011305)
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Keywords | 医療資源の配分 / 生命の尊厳 / 生命の質 / 人工妊娠中絶 / 安楽死 / 脳死 / インフォームド・コンセント / 臓器移植 |
Research Abstract |
(1)脳死と臓器移植問題を日本文化の中に位置づける試みを精力的に進めている、国際日本文化センターの森岡正博氏を招いて、この問題を含めた生命倫理学の現状と将来の展望についての意見交換を行った。又、研究代表者が、日本生命倫理学会企画委員長である京都大学の星野一正氏他を訪ねて、生命倫理学の歴史的背景、及び現代の日本における根本問題について意見を交換し、積極的な見解を形成することが出来た。 (2)昨年度に引続き、特に重定を定めず著者、タイトル、アブストラクトの入力の続行を計画していたが、研究の現在的及び中期的展望が明らかになるにつれ、資料収集及びその整理を臓器移植及びDNA関係に変更集中し、少なくともDNAに関しては集め得る限りの欧米文献を収集し終えて、現在一覧表を作成しつつある段階に達した。 (3)一般教育、医療従事者の準備教育、社会教育における生命倫理学の扱い方についても研究討議した結果、それは英米のバイオエシックスを十分消化した上で、しかも日本文化の特質から要求されるテーマを日本文化との十分な対話を交わしつつ展開される中でのみ、なされなばならないという結論に達した。日本医学教育学会長、星野一正氏の意見には聞くべきものが多かった。教育用テキストもその線に沿って検討中。 (4)バイオエシックスは欧米文化の伝統に深く根ざすものであるので、比較文化論的側面に加え、思想史の面からも検討を行った。 (5)「バイオエシックスの基礎」(加藤・飯田編、東海大学出版会)を刊行した。又、加藤・飯田が監訳するH.T.Engelhardt,Jr.のThe Foundations of Bioethics(OXford University Press)が、平成元年中には朝日出版社より発刊される。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 加藤尚武: 病院. 47. 35-38 (1988)
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[Publications] 加藤尚武: 現代思想. 16. 146-153 (1988)
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[Publications] 加藤尚武: ライフサイエンス. 15. (1988)
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[Publications] 今井知正: 哲学雑誌. 103. 99-121 (1988)
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[Publications] 飯田亘之: 一般教育学会誌. 10. 9-16 (1988)
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[Publications] 飯田亘之: 千葉医学雑誌. 65. (1989)
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[Publications] 佐藤和夫 他: "『生命の倫理を問う』" 大月書店, 238 (1988)
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[Publications] H.T.エンゲルハート,H.ヨナス 他 加藤尚武、飯田亘之 編: "バイオエシックスの基礎" 東海大学出版会, 355 (1988)
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[Publications] 加藤尚武: "人間通になるためのことわざ学入門" PHP, 250 (1988)
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[Publications] 上智大学中世思想研究所 編 佐藤三夫 他: "中世の自然観" 創文社, (1989)
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[Publications] 斉藤静敬: "刑法" 創成社, 336 (1988)