1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
旧産炭地住民の生活史から見た生活様式の変化と地域社会構造の発展
Project/Area Number |
62510110
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Komazawa Women's Junior College |
Principal Investigator |
玉水 俊哲 駒沢女子短期大学, 保育科, 教授 (00090465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福川 須美 駒沢女子短期大学, 保育科, 助教授 (10111064)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Keywords | 生活構造 / 生活過程 / 生活様式 / ライフスタイル / 生活史 / 生活の個人化 / 生活の質 / 生活価値 |
Research Abstract |
1.「生活構造」「生活過程」「生活様式」「ライフスタイル」等の諸研究成果の検討については, (1), 「生活構造」論は, 4つの理論体系に分類可能である. (a)は, 現代社会の抽象的・一般的な「生活」を現代の家族の生活に基づきながら, パターンナイズされた生活体系として捉える構造・機能論. (b)は, 生活手段・生活情報などを利用, 消費する過程を労働力再生産過程として捉え, 職場における労働力の消費過程との構造的関係から労働者の福祉追求の様態として把握する政策科学としての生活構造論. (c)は, 「生活構造」論を批判検討して, 地域社会における諸階層の生活を, 諸階層の日常的な生活営為によって積上げられる生活要求が, その地域社会構造に下からの変革をもたらすモメントになることに着目して「生産-労働・生活過程」として把握する. (d)は, マルクス主義の階級論を基礎に置きながら, 労働者階級をいくつかの階層に分け, 地域住民の生活を, 全体社会の階級論的視点によって生活実態に現象する矛盾を把握する, いわば階級論的生活論. (2), 「新しい生活様式」への模索が, 地域社会構造の発展に持つ可能性を明らかにしようとする本研究の視点からは(d)を基礎に置きながら, (b)の論理を(c)の生活過程論に取り入れる理論の構築が必要となろう. 2.「生活史」(ライフコース)研究は, 従来当然のように家族集団の生活史と同義に把握されて来た. しかし, 今日「個人化する家族」「自分史」などに見られるごとく, 生活の「私化」(プライバタイゼーション)の視点が要求される. そこで, 女性史, 子どもの発達史的論点が必要となる. 3.地域社会の構造的矛盾をどの断面で内在化させ, 住民諸階層の自らの生活の見直しを経て, その矛盾に対して自分の生活を対置させて行くかという生活に根ざす運動論が必要となる.
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