1987 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク化時代の社会的生産性分析-「社会的生産性指標」の確立にむけて-
Project/Area Number |
62530038
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
林 堅太郎 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40066741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田井 修司 立命館大学, 経営学部, 助教授 (70140118)
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Keywords | 社会的生産性 / 社会資本 / 社会的費用 / 構造転換 / ネットワーク / 地域不況 / 協同組合 / 高等教育 |
Research Abstract |
1.通常, 生産性指標は生産単位におけるミクロベース生産性の総和によって示される, ということへの不満から本研究はスタートした. 「社会的生産性」いう用語の使用はここから始まった. 私たちが採用したこの視点を展開させるための方法は, まず社会的費用論の理論的蓄積を総括してみることであった. それは, 投資=コストと生産=効果のリンクを念頭におくのが無難である, という理由がその状線にあったし, ミクロ分析-マクロ分析連関における「総合的・社会的な架橋」がすでに多様に試されている, という社会的費用論への評価があったからである. この作業のなかから, 現在, いわゆる「ネットワーク論」の様々な試み, 例えばネットワーク化の生産的効果の指摘が理論的に生理できるための一定の手がかりをえることができた. 併行して, 現代日本の構造転換に関わる実態把握をいくつかの典型を調査するという方法で行った. それは, 「社会的生産性」概念を豊富化するための, (1)国家-企業=制作論的アプローチ, (2)教育投資・研究開発に関わっての間接生産性分析アプローチ, (3)構造不況部門の地域的影響という視野からの地域アプローチであった. いずれもケース・スタディにとどまってはいるが, 概念の実態的豊富化に必要な作業であり, 今後も引き継いで行なう. 最後に「社会的生産性」概念を念頭においた国際的視野からの検討準備が今年度の課題であった. 今年度, イギリス, イタリアにおける事例の文献研究とイタリアにおける実地研究(科研費の利用ではないが)を行った. 2.今後の研究については, 次のような組みたてを基本に展開する. (1)ネットワーク化の生産性, を基軸にした社会的生産性論の理論的詰め (2)これを検討する事例研究, 実態分析 (3)日英伊比較の継続.
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Research Products
(2 results)