1988 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク化時代の社会的生産性分析-「社会的生産性指標」の確立にむけて-
Project/Area Number |
62530038
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
林 堅太郎 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40066741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田井 修司 立命館大学, 経営学部, 助教授 (70140118)
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Keywords | ネットワーク化 / 消費生協 / 協同組合所有 / 事業提携 / 第3セクター論 / 競争と協同 / 社会的生産性 / 付加価値指標の展開 |
Research Abstract |
1.地域におけるネットワーク化の実態把握を行ってきた。構造不況部門の地域的影響にとどまらず、農産物の自由化の今日的段階をふまえ、地域産業の活性化をネットワーク化という視点からみると、地域の再生構造における協同組合部門の存在を無視しえない。今年度は全国的なネットワーク化と並行する地域内ネットワークの核となっている協同組合間提携の実態を調査し、事業提携における消費生協の主導的役割を検討してきた。 2.消費生協のもつ住民組織化が進行するなかで地域の自立的な発展とりわけ食生活分野での地域自給率を高める方向性がみられるが、高い組織率に裏づけられた消費者ニーズの集約化が大きな力を発揮していることが分かった。その具体的な事例研究の中から、その発展の条件を検討した。 3.この点の理論的な整理をはかるためイタリアにおける第3セクター論の検討を行ってきた。公共部門の停滞と民間部門だけでなく協同組合セクターが担いうるとする仮説であるが、その原理は「競争と協同」におかれている。この第3セクター論の理論的系譜をどう考えるのか、国際的シンポジウムの討論をふまえその整理を行ってきた。 4.その際、地域の社会的生産性把握として活用されている付加価値指標に着目し、イギリスのコストレポートを始め、EC諸国での付加価値会計さらに付加価値管理会計の実態について分析を行った。共同体概念をベースとした付加価値指標が経営の実態に対応して具体的に活用されている事例として、イタリア協同組合をこの視点から分析し、そこにおける財務政策および経営管理を協同組合所有の展開として整理できた。 5.ネットワーク化の実態調査とそこから導かれた理論問題の検討と整理、それが今年度の成果である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 田井修司: 立命館経営学. 第27巻3.4号. 353-371 (1988)
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[Publications] 田井修司: 野村秀和編「生協経営の自己診断」日本生協連. (1988)
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[Publications] 田井修司: 生活協同組合研究. 3月号. (1989)