1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540150
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 昭信 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10015547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 恵 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (30011521)
印南 信宏 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (20160145)
山田 浩 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (20022551)
長谷川 好平 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10022675)
山里 眞 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (00015900)
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Keywords | 無限次元拡散過程 / 遺伝モデル / ライト・フィシャーモデル / 多重遺伝子族 / ユーエンズのサンプリング公式 |
Research Abstract |
確率過程論のなかで, 特に集団遺伝学に関連する拡散過程の研究を行い次のような成果をあげることが出来た. 1.多重遺伝子族の遺伝子頻度の発展を記述する有限次元拡散過程の研究を行い, 太田朋子氏の結果の一部の数学的正当化を行うとともに, 新タイプの ユーエンズのサンプリング公式を得た. これは, 数学として若干の面白さがあるとともに, 集団遺伝学としても意味のある結果であると思われる. 数学としては, 自然数の分割上の分布を状態空間とする拡散過程の定常分布の定量的研究であり, 分割の構造が定常分布の平均ベクトルに反映するところが面白いと思われる. 集団遺伝学的に言えば, 平衡状態の集団中から, 無作為に取り出した一本の染色体(n遺伝子座をもつので, n個の遺伝子がとり出される)上に平均的に何個の対立遺伝子があるか明らかにされる. この研究は昨年発表したが, 既に モナシュ大学(オーストラリア)のワタソン教授に注目され 若干の拡張が行われている. 2.本研究の主たる課題である, 多重遺伝子族の遺伝子頻度の時間発展を記述する無限次元拡散過程の研究も進展しつつある. 既に1983年の太田朋子氏の結果を数学的に正当化することが出来ている. 平衡状態の集団から, N本染色体をランダムに取り出したとき(N×n個の遺伝子があるが)平均的に何個の対立遺伝子が存在するかという問題は未解決の重要な問題であり, この問題にアプローチしたいと考えている. 研究分担者の一人である山里眞は, 確率過程の一つである出生死滅過程の到達時間の分布について, これまでの彼の研究を発展させ興味ある結果を得た.
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Research Products
(2 results)