1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540575
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
大上 和良 岩手大学, 工学部, 助教授 (60003878)
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Keywords | 北上山地 / 早池峰構造帯 / 基盤岩 / 付加体 |
Research Abstract |
釜石地域の"早池峰構造帯"の地質調査の結果, 構造帯は構成層の分布から東列と西列に区分される. 東列は早池峰複合岩類(塩基性〜超塩基性岩類など), デボン系千丈ヶ滝層, 石炭系小川層, ペルム系栗林層から構成される. 早池峰複合岩類はデボン系千丈ヶ滝層の下位に位置し, 同層と整合関係にあると推定されることから, "早池峰構造帯"の基盤岩であること, さらにその地質時代はシルル紀より古くなる可能性は少ないことが判明した. このことは, 他の地域における"早池峰構造帯"の中の早池峰複合岩類の地質時代(先シルル紀, 例えば大上ほか, 1986)に較べて形成年代が若いことを示す. 一方, 西列地域には同じく基盤の早池峰複合岩類が分布するが, デボン系は分布せず, 下位より石炭系唄貝層, ペルム系中和田層, 三畳〜ジュラ系大畑層, 下部白亜系仙磐山層・橋野層が分布する. これまで東列・西列に分布するこれらの地層の層相は南部北上山地の浅海相から漸移したものであり, 早池峰山南麓部と同様に南部北上山地のに属するものとみられていた. しかしながら, 大畑層には異地性岩体としてチャートが含まれ, 北部北上帯の地層と類似した岩相を示す. 同相のチャート・頁岩についてHF処理により微化石の抽出を行った所, チャートからペルム紀〜三畳紀を示すユノドント化石の抽出され, 基質の砕屑岩類はジュラ紀と推定された. したがって, 釜石地域では, ジュラ紀付加体の形成を考慮した"早池峰構造帯"の発達史を考える必要のあることが判明した. また, 各層準の砕屑岩類の岩石薄片を作成し, 粒度, 鉱物組成を計測している. これらの結果は購入したパーソナルコンピューターで解析すべく, 統計, 因子分析などのプログラムの作成を行っている.
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Research Products
(2 results)