1987 Fiscal Year Annual Research Report
進行波動壁面による流体輸送機構とその推進機および人工補助循環器への応用
Project/Area Number |
62550128
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 皓一 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70024362)
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Keywords | 流体輸送 / 推進機 / ポンプ / 進行波磁場 / 人工補助循環器 / 超電導コイル |
Research Abstract |
(1)研究目的と意義 本研究は, 進行波状運動を行なう柔軟な壁面(またはダクト)によって定常な流れが誘起されることに着目し, この原理を用いて既存のものとはまったく異る新しい形式の流体輸送のためのポンプおよび推進機の提案と開発を目的とする. (2)研究方法 ここでの基本的な方針は, 進行波状の磁場を切加して, 電磁流体または磁性流体を媒体とした壁面の運動によって流体を駆動することにあるが, 主として(イ)推進機, (ロ)人工補助循環器への応用を目的とした基礎研究を行なう. したがって, まずこの機構の小規模モデルを試作し, 実験と解析を行なって, 実用化への基礎資料を採取する. (3)設備の購入状況 試作機の作成およびデータ収集のために, 直流安定化電源, ディジタルオシロスコープおよびコイル, 駆動回路用電子素子類に費用をあてた. (4)研究成果 まず48個の硅素鋼コアを持つ磁場発生用コイルを作成した. 次に, これらのコイルを直線上に配置し, コイルの磁場を横切る形に, 磁性流体層を持つ長方形断面のダクトを設けて, 内部に被駆動流体を満たす, 別に作成したディジタルパルス幅変調回路により進行波型磁界を発生させて流体を駆動する試作機を作成した. 試作機を用いた実験により, 当初推定した基本的な推進機構を確認できたが, 小規模のモデルのためにまだ実用に供することができないが, とくに電力の増強を行なうことで実用化が期待できる. 現在もなお, 部分的な改良等により性能向上への実験を続行中であるが, 本推進機構が他に類を見ないために, 推進機構および流体力学の上で興味ある現象を見い出しつつある. 今後, この試作機を一方では大型化し, 一方では超小型化することにより実用化を計る.
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