1988 Fiscal Year Annual Research Report
進行波動壁面による流体輸送機構とその推進機および人工補助循環器への応用
Project/Area Number |
62550128
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 皓一 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70024362)
|
Keywords | 進行波運動 / ぜん動 / 流体輸送 / 電磁ポンプ / 磁性流体 / 人工補助循環器 / 船舶用推進機 |
Research Abstract |
本研究は、水中生物の推進機構と推進抵抗の低減および動物の循環器官における流動物輸送において進行波運動が重要な役割を担っていることに着目し、これを工学的に応用することを目的として計画されたものである。 すなわち、矩形または円形断面を有するダクト内で、弾性膜に進行波運動を発生させ、それに接する流体に定常流を誘起させることによるポンプ作用を船舶用推進機および人工補助循環器として実用化するための基礎的研究である。そこでは、弾性膜に推進波運動を発生する機構の開発が中心的となる。本研究では、最近注目されている磁性流体を駆動媒体とし、パルス幅変調方式により進行波形磁場を切加して、炭素繊維膜を駆動する画期的な方法を提案する。 初年度(昭和62年)で、この新しい方式に基づく駆動部および電子回路を設計製作し、基本的特性を調査した。本年度(昭和63年)には、引き続いて駆動部の若干の改善を行い、光方式変位計、差動型圧力変換器およびガウスメータ等を用いて、膜面の推進波運動、誘起流の流速と圧力の変動および磁界分布等の諸動特性を詳細に調査研究した。 その結果、本研究で提案した推進機構が極めて興味ある推進特性を持ち、十分実用化が可能であるとの見解を見出し、かつ実用化し向けての諸指針を多数得た。
|