1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550161
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井村 英昭 熊本大学, 工学部, 教授 (10040396)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 正道 有明工業高等専門学校, 講師 (80149989)
|
Keywords | 熱サイホン / 沸騰熱伝達 / 凝縮熱伝達 / ループ形 / 循環流量 |
Research Abstract |
1.内径14mmの黄銅管で作られた、一辺の長さが80cmの正方形をしたループにおいて、片側の鉛直管に蒸発部を、上部水平管に凝縮部を持つループ形密閉熱サイホン装置内に、作動液体として水およびフロン113を封入して、蒸発部沸騰熱伝達、冷却部凝縮熱伝達およびループ内循環流量を測定した。実験は熱負荷、ループ内圧力、液体封入量およびループの傾きを変えて行い、これらの熱伝達および循環流量の影響を明らかにした。 2.蒸発部沸騰熱伝達係数は循環流速があまり大きくないために、流速の影響をほとんど受けず、プール沸騰に関するStephain-Abdelsalamの式でかなりよく整理できる。 3.冷却部凝縮熱伝達係数を水平管内の膜状凝縮に関するNusseltの式で整理した結果、封入液量が多い場合、実験値はNusseltの式よりも小さい値となった。これは封入量が多い程、蒸発部内で発生した気泡によってより多くの液体が凝縮部へ持ち上げられ、凝縮管底部に液溜りが生ずるためである。したがって、凝縮熱伝達係数の低下を避けるためには、蒸発部上部に気液分離器を設け、液体のみを蒸発部入口に戻すバイパスを設置する必要がある。 4.ループ内循環流量は熱負荷の増大と共に最初増大し、その後減少する傾を示した。これは熱負荷の増大と共に沸騰が活発となり、ボイド率が大きくなって、下降管との間の浮力が増大するために流量が増大するが、更に熱負荷が大きくなると二相摩擦圧力損失が浮力の増大以上に大きくなるために流量は減少する。 5.ループ内の圧力、エンタルピ、乾き度およびボイド率をループに沿って計算することによって、循環流量を理論的に計算した。その結果は実験値と比較的よく一致した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 井村英昭: 日本冷凍協会論文集. 5(1). 63-72 (1988)
-
[Publications] 井村英昭: Proceedings of International Symposium on Phase Chage Heat Transfer,1988-5,Chongqing,China.579-584 (1988)
-
[Publications] 井村英昭: 日本冷凍協会論文集. 5(2). 11-19 (1988)
-
[Publications] 井村英昭: 第23回空気調和・冷凍連合講演会. (1989)