1987 Fiscal Year Annual Research Report
多成分イオンビームの生成とその化合物半導体薄膜形成への応用
Project/Area Number |
62550219
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
真瀬 寛 茨城大学, 工学部, 教授 (30007611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 正人 茨城大学, 工学部, 助手 (10159212)
池畑 隆 茨城大学, 工学部, 助手 (00159641)
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Keywords | 多成分イオンビームの / イオン源 / 半導体薄膜 / イオンビーム蒸着 |
Research Abstract |
超高密度ホロー陰極放電を用いることにより, 極めて単純な構造の小型で強いイオンビーム源が製作できる. 本研究は, この小型イオンビーム源を複数個束ねることにより, 多種類イオンから成るイオンビームを生成し, 化合物半導体薄膜形成への応用の可能性を評価しようとするものである. 昭和62年度における当初の計画では, 3-イオン銃型イオン源の設計・建設, および基礎データの集積を図る予定であったが, イオン源の建設が大幅に遅れ, 現在ようやく実験装置の整備が終了して運転を開始した段階にある. 6月に開催されるIIT'88までには結果を出す予定である. このイオン源は7-イオン銃型としてあり, イオンビームの大口径化を図るとともに, その組成, 密度の空間分布を制御できるように設計されている. 単一の小型イオンビーム源については, 従来の実験を継続して行ない, ビーム直径1mmφ, ビーム電流0.5mAが可能であることを確認している. また, 陰極をTi製とすることにより, 陰極スパッタリングによる不純物混入を軽減可能であることを確かめている. 逆に陰極スパッタリングを積極的に利用した, 金属イオンビーム生成の実験も行ない, 陰極面に平行な表面磁場を印加することにより金属イオン生成効率が向上することを見い出している. また, このイオン源に直接的な関係はないが, イオンの生成効率, イオンの引き出しに関連したプラズマと電極との境界層について考察した. 従来の放電理論とは異なる概念を用いて, 放電形態や放電方式によらない, 一般理論を提案した. この理論は, 放電によるイオン生成全般を取り扱うことが可能なので, 放電方式を異にするイオン源についても有効な設計指針となる筈である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Mase,T.Tanabe T.Ikehata: 18th International Conference on Phenomena in Ioniged Gases. 4. 746-747 (1987)
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[Publications] H.Mase,T.Tanbe,T.Ikehata: 8th International SymPosium on Plasma Chemistry. 1. 273-278 (1987)