1987 Fiscal Year Annual Research Report
点字ファクシミリのための点字・墨字相互変換方法に関する研究
Project/Area Number |
62550233
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
鎌田 一雄 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (80016609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮道 寿一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (50107166)
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Keywords | 点字 / 英文点字 / 点字表記法 / 点訳 / 墨訳 |
Research Abstract |
本年度は, (1)点字文書のイメージスキャナを用いた読取り方法, (2)英文点字の墨字変換方式, (3)英文墨字の点字コードへの変換方式を検討した. 1.点字文書の読み取り. イメージスキャナを用いて点字文書を構成する点字ドットパターンの識別方法を検討した. 現在のシステムは, ドットを一つづつ分離して識別を行う方法を採用している. 点字ドットが分離しているきれいな点字文書では, 識別誤りはまったくないが分離が悪い状態では識別誤りが特定の点字コードに生じる. 次年度は, これを改善する予定である. 2.点字→墨字変換方法. 点字コード計算機内部でASCIコードに対応させ, 英文点字と墨字に変換する方法を検討した. 日本点字図書館から新たな「英文点字表記法」が発行(昭和62年10月)されたため, これに従って処理をするようにシステムを変更した. 表記法は, 人が理解できる範囲内では, 種々のあいまいさを残している. 機械処理の観点からは, 逆に, このあいまいさが重大なネックになることが明らかとなった. 正確な墨訳のためには, 自然言語理解において行われる文脈処理, 意味処理が必須となる. 3.墨字→点字変換方法. 与えられた墨字英語単語を日本点字図書館発行の新しい「英文点字表記法」に従って点字コード列に変換する方法を検討した. 表記方法は, 慣用的な規則を多く認めており, 統一的な処理規準に基づいて構成されていないという点が, 機械処理を難しくしている. 本年度検討したパターンマッチング法に基づく方法と, これと異なる方法(変換辞書を利用する方法など)の併用が必要であることが明らかとなった. 4.なお, 点字プリンタを用いた点字文書出力は, 点字プリンタの納入が遅れたために, インタフェース作成を本年度行うことができなかった. 点字文書作成に必要なインタフェース部分の作成は, 年次度行う予定である.
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