1987 Fiscal Year Annual Research Report
海洋調査用無人潜水艇の流体力学および制御工学的研究
Project/Area Number |
62550326
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
加藤 直三 東海大学, 海洋学部, 助教授 (00138637)
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Keywords | 無人潜水艇 / 無索 / CCV / ファジー / 制御 / 最適化 / 高度保持 / 前方障害物衝突回避 / 設定コース保持 |
Research Abstract |
本研究では, 海中および海底の海洋学的調査を安定して行うための, 予め決められたルートに従って航走する無索・プレプログラム式無人潜水艇を対象として, その新しい艇の形状と運動制御法を提案した. 運動制御を姿勢制御と航路制御に分けて考え, さらに航路制御を鉛直面内における海底からの高度保持及び前方障害物衝突回避運動制御と, 水平面内における設定コース保持制御の二つに分けた. 全体の制御システムは姿勢制御を下部に, 航路制御を上部とした階層構造にした. 海中や海底の調査を安定して行うためには艇がなるべく縦揺れや横揺れを起こさないことが望ましく, これを満足するために最近の航空技術の一つのCCV(Control Configured Vehicle)技術を採用した. まず, 艇の基本形状を, CCVモードの中で上下速度一定かつピッチ角ゼロのモードと, ヨー角一定かつロール角ゼロのモードを実現するように, 非線形最適化手法を用いて求めた. 航路制御法としてファジー制御を用いたま艇の高度計画と前方障害物探知にはソナーを使用し, 艇の位置は慣性航法によって得るものとした. CCV制御にはいくつかのモードがあり, その制御機略をファジー制御でおきかえ, CCV制御との階層的組み合わせを用いた. 艇の線形運動方程式をもとに, 艇の運動制御の数値シミュレーションを行った. 鉛直面内の航路制御においては, かなり起伏の激しい地形においても海底に衝突せずに運動できることがわかった. また水平面内においては設定ルートをかなりの精度で追従できることがわかった. 今後, 外乱の影響を加味した数値シミュレーション, 模型によるCCV制御とファジー制御の確認試験を行う必要がある.
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