1988 Fiscal Year Annual Research Report
正負交番繰返し荷重下でのパーシャルPCはりの部機特性とその損傷の補修・補強の研究
Project/Area Number |
62550347
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 和夫 京都大学, 工学部, 助教授 (10021586)
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Keywords | パーシャルPC / 正負交番繰返し荷重 / 横拘束筋 / 復元力特性 / じん性 / 部機損傷 / 補修・補強 |
Research Abstract |
最大曲げ耐力がほぼ等しいパーシャルPC、RC、フルPCはり部機に対して、フォーリングブランチ領域でも特に部機損傷が激しくなると考えられる大変形レベルを対象とした正負交番繰返し載荷試験を実施することによって部機損傷に及ぼす種々要因の影響を検討した。さらに、損傷部機の補修・補強に関する基礎資料を得るため、健全はり(タイプ1)、はり全体にライニングを施したもの(タイプ2)およびかぶり部分のコンクリートをはつりとってエポキシレジンモルタルでパッチングした後にライニングを施したもの(タイプ3)に対して、正負交番繰返し載荷試験を実施した。これらの3タイプのはりモデル供試体は、それぞれ損傷が全くないもの、損傷が軽微なもの、損傷が非常に激しいものに対応している。 本研究の結果、大変形レべルの正負交番繰返し載荷に伴う部機損傷は横拘束筋比やコンクリート強度にも影響されるが、適度のプレストレスが導入されたパーシャルPC部機はRCやフルPC部機と比較して大変形領域まで安定した復元力特性を示し部機損傷が著しく軽減されることが認められた。また、損傷部機の補修・補強に関しては、タイプ2では無補修の健全はり(タイプ1)と全体的な耐荷性状に特に顕著な差異はみられないこと、一方タイプ3のような補修・補強を施した場合には最大耐力は前2者と同等まで回復させることが可能であるが、正負交番繰返し載荷回数の増加に伴う耐力低下が著しく脆性的な破壊性状を呈することが示された。したがって、正負交番繰返し載荷下での損傷部機の補修・補強にあたっては、耐荷力のみならず、修復後の部機じん性を含めた塑性変形性状の面からの検討もきわめて重要であることが示唆された。
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