1988 Fiscal Year Annual Research Report
複数列の前面板を有する直立消波上の消波効果及び海水浄化効果に関する研究
Project/Area Number |
62550381
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Research Institution | OSAKA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小田 一紀 大阪市立大学, 工学部, 教授 (60047230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貫上 佳則 大阪市立大学, 工学部, 助手 (90177759)
角野 昇八 大阪市大学, 工学部, 講師 (70047398)
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Keywords | 直立消波工 / 消波効果 / 海水浄化 / エアレーション / 反射率 |
Research Abstract |
本年度は、当初の計画通り、2重壁式および1重壁式直立消波工のエアレーション(曝気)効果を検証するための実験を実施した。 消波工模型は、開口率を変えた2重壁式と1重壁式縦スリット直工消波工模型を用いたが、この模型の構造諸元は、既に昨年度の本研究で理論的並びに実験的に明らかにできた知見に基づき、消波効果が最もよい断面とした。 実験は、この種の他の研究例と同じく、貧酸素状態とした水槽内で規則波を約3時間連続造波し、その間の模型による溶存酸素濃度の時間的回復状況を溶存酸素計(DO計)で測定することによって実施した。曝気効果の大小の判定は、それより算定される再曝気係数(k_2)を評価することにより行った。 実験によれば、2重壁式と1重壁式とでは、全般に前者の方が高い曝気機能を有することが明かとなり、当初予想された通りの結果を得ることができた。また、本研究では特に、この種の構造物のk_2は、スリット通過の水粒子速度に強く依存し、しかもその関係は、1重壁式あるいは2重壁式など構造形式が変わっても変化しないとの結果を得ることができた。従来は、k_2とスリットにおける波の損失エネルギーとの関係にのみ専ら着目されていただけに、この結果は本研究で得ることができた新しい知見といえよう。 この他にも、本研究は、主として消波効果の面からの研究として、1.消波効果に与える模型縮尺の影響 2.広い周波数帯域にわたって低反射機能を有する直立消波工の開発 3.不規則波に対する直立消波工の消波特性の解明 4.変断面をもつ直立消波工の周辺波動場の理論解析 についても研究を行い、それぞれ新しい知見を得ることができた。今後は、曝気効果についての理論的検討を進め、k_2の予測式を提案したいと思っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 角野昇八,藤田孝,小田一紀,重松孝昌: 昭和63年度土木学会関西支部年次学術講演会講演概要. II-26-1--II-26- (1988)
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[Publications] 角野昇八,藤田孝,小田一紀,重松孝昌: 土木学会第43回年次学術講演会講演概要. 43. II-311-1--II-31 (1988)
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[Publications] 角田昇八,小田一紀,重松孝昌,苦田利春: 第35回海岸工学講演会論文集. 35. 557-561 (1988)
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[Publications] 角田昇八,小田一紀,藤田孝,天野健次,苦田利春: 平成元年度土木学会関西支部年次学術講演会講演概要. (1989)
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[Publications] 角田昇八,小田一紀,寺岡章吾,藤田孝,苦田利春: 平成元年度土木学会関西支部年次学術講演会講演概要. (1989)
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[Publications] 角田昇八,小田一紀,貫上佳則,藤田孝,天野健次: 土木学会第44回年次学術講演会講演概要. 44. (1989)