1988 Fiscal Year Annual Research Report
寒地住宅の住空間構成の計量的解析と居住水準評価に関する研究
Project/Area Number |
62550427
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
眞嶋 二郎 北海道大学, 工学部, 助教授 (00002907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 孝博 北海道大学, 工学部, 助手 (10113599)
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Keywords | 住宅事情 / 住宅規模 / 住空間構成 / 居住水準 / 積雪地 |
Research Abstract |
本研究は寒地住宅の住空間構成の特徴と住宅規模との関係を明らかにして、現代住宅の居住水準と計画のあり方に関する検討を行う。今年度は前年度の戸建住宅を対象としたアンケート調査の詳細な解析検討と、間取図のデータ化および既存統計調査結果の解析と札幌市「住宅需要実態調査」(1983)の再集計を行い、総合的な検討をした。今年度の検討結果の主要点は、1)戸建持家のみならず、共同建持家や共同建の多い民営借家に共通して、住宅規模と居室の取り方や公室・非公室の室構成および非同居空間の取り方などの住空間の構成の仕方とその間には一定の規則性と地方的特色がある。東北・北陸地方の住宅は日本全国に共通する空間構成原理のなかでの大規模住宅の典型として位置づけることが出来る。しかし北海道の住宅は特異な空間構成原理で成り立ち、居間・食事室を中心とする公室を広くとり、通路その他の非居室空間を極力少なくし居室空間効率を高めるのが基本原則となっている。2)全国に共通して、戦後の住宅規模と居住水準が上昇してきた過程では居室空間効率を高めるタイプの住宅が増えてきているが、最近は住宅規模が一定レベルに達し、居室以外の空間を考慮することも可能になりつつある。3)積雪地では冬期間は屋内に多様で活動的な生活が取り込まれ、住宅規模が大きいほど生活行為が多様かつ豊になる。北海道の公室空間、北陸などの積雪地の中間的住空間がこれらの行為を受けとめる役割を果たしている。特に北陸の住宅規模は大きいため、その可能性は高い。4)現実の居住者の満足度から見て、当面の現実的な目標として標準的世帯で40〜42畳(120〜130m^2)は必要であり、上記の豊かな屋内生活のためには140m^2程度は目標とすべきであろう。5)しかし、一方では世帯主年令が30歳台で居住水準が特に低く、またこの層の住宅規模に対する不満は高い。これらの層では民間借家・公的借家の居住者が多く、多くの問題を抱えている。
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Research Products
(1 results)